研究課題
本研究の目的は、流体中に分散させた微粒子を細い流路内に流す際に120MHz の高周波数超音波を照射し、その反射スペクトルの形状をニューラルネットワークの手法で解析することで、微粒子の大きさや内部構造の複雑さを解析するソノサイトメトリーのプロトタイプを作製し、原理の確認を行うことと、既存のフローサイトメーターと比較することで本システムの計測精度を実証し、生体内の血流・リンパ流を応用した生体内ソノサイトメトリーの実現性について検討することである。1) マイクロ流路の作製:3本の流路を1本に合流させるようなマイクロ流路を作製し、3台のマイクロシリンジポンプによって、中央から細胞に相当するポリスチレン微粒子を含む液体、両脇から微粒子を含まないシースフローを流し、マイクロ流路の上方に設置した高速CCD カメラで微粒子を含む液体の挙動を観察し、3台のマイクロ輸液ポンプの最適な流量を決定した。2) 高周波数超音波計測システム・信号解析: 中心周波数120 MHz、直径2.4 mm、焦点距離3.2 mm のPVDF 製の凹面超音波振動子を、流路にほぼ30 度の角度で設置し、作製したマイクロ流路の中央に焦点が一致するように固定する。超音波振動子にパルス幅100 ps、電圧50 V、繰り返し周波数3000Hz の電気パルスを入力し、高周波数超音波を発生させ、デジタルオシロスコープにより超音波信号が取得できていることを確認した。また、超音波信号の周波数解析およびニューラルネットワーク解析の手法を検討し、GPUに適した並列計算法について検討した。3) 自己組織化マッピング:モデルを単純化するために、粒径2.5ミクロンおよび6ミクロンのポリスチレン微粒子が混在した液体をマイクロ流路に流し、超音波反射スペクトルを数値化し、分類した。
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