研究課題/領域番号 |
23650305
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中村 真人 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (90301803)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 臓器保存 / 再生組織 / 凍結保存 / 解凍 / 人工赤血球 |
研究概要 |
組織や臓器の凍結解凍の新技術として、電磁誘導を利用した『組織と臓器の超速解凍法』を考案し、それを試行し実証することを目指して研究を進めている。1年目はサブテーマとして(1)~(3)を計画し、実施した。(1)凍結過程の評価システムの整備:現在の高速ビデオカメラでの自作装置を改良して、温度を計測できるようにし、また温度制御ができる装置にした。また、光源も、LED照明を導入して、熱がかからない装置になった。当初の計画は実現したが、実際には、予想外に導入した冷却装置の振動が激しく、顕微鏡観察ができないという問題が生じた。ゆえに、装置の冷却システムの見直しを行い、装置の改良は継続して進めることとする。(2)人工赤血球の開発研究:金属粒子入りの人工赤血球の開発研究:金属粒子入りの人工赤血球が作れているが、実際実験に使うときには、大量の微粒子が必要である。そこで、微粒子を量産できる微粒子作製装置を検討中である。(3)電磁誘導装置の作製:基礎実験用の電磁誘導装置の試作:市販の電磁調理器の部品を流用して、装置を作製した。実験後、断線したりトラブルはあったものの、再度作り直し、次の実験を待つ段階にある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画に沿って実施し、おおむね順調に実施できてはいるものの、次年度の実験へ進める点から新たな問題が生じてこのままでは実施が厳しくなっている。その問題を解決する必要があり、総じてやや遅れていると自己評価している。具体的には以下の通り。(1)の観察装置の改良というサブテーマでは、当初計画した改良は100%実施できた。しかし、導入した冷却装置が予想外に振動が激しく、顕微観察ができないという問題が生じた。使える装置にするために、引き続き改良が必要である。(2)の金属粒子入りの人工赤血球の開発というサブテーマでは、人工赤血球をインクジェットで作ることに関しては順調に進んでいる。しかし、次年度に実際にin vitro実験、動物実験を行う計画であるが、その際には大量の微粒子が必要となる。現在の予算規模で大量に生産するには限界があるため、大量生産の方法を模索している。
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今後の研究の推進方策 |
当初の2年目の計画事項に進むためには、前項の問題点に対して引き続き取り組む必要がある。2年目の計画を再度練り直し、以下のことに取り組む計画である。(1)金属入りの微粒子(人工赤血球)の大量生産法の検討:金属入り微粒子を用いた実験のためには金属入り微粒子を大量生産する技術が必要と考え、予算内でそれができるよう可能性のある技術にチャレンジする。(2)、凍結過程の評価システムの改良:振動のために顕微観察ができない現在の冷却装置を見直しと改良する。(3)、模擬サンプルでの実験:金属入りの微粒子を用いて、模擬組織、模擬臓器での実験を行う。(4)、動物組織・臓器を用いた実験:死体臓器を用いて、作製した人工赤血球を注入し、臓器内の分散の確認を行う。CT、病理組織検査が有効と考えている。その上で、組織・臓器の凍結・解凍実験で効果を試したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
凍結過程の評価システムを見直し、改良を試み、できるだけ有用なシステムにバージョンアップする。また、金属微粒子入りの人工赤血球を実験用に使える量を一度に生産できる方法をいろいろ探索し、有望な方法を試行して、大量生産を試みる。そして、作製した電磁誘導装置で電磁誘導をかけて、発熱性を実証するとともに、臓器の凍結実験での何らかの効果を実証したい。
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