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2012 年度 実施状況報告書

ナノプラズモニック遺伝子銃の創出

研究課題

研究課題/領域番号 23650310
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

寺川 光洋  慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (60580090)

キーワード低侵襲治療システム / レーザー医療
研究概要

本研究の目的は、高速増強近接場光を用いてレーザー推進による高分子導入技術(ナノプラズモニック遺伝子銃)を創出することである。
平成24年度は、前年度の粒子加速の理論計算および実験研究を継続するとともに、得られた成果を基にして、レーザー照射方式について研究を実施した。レーザー照射時に、粒子下の光強度分布が対を有していれば粒子は基板に対してほぼ垂直に進む。一方、レーザーを斜入射すると、粒子下の光強度分布が変化することにより、推進方向を制御できる。有限差分時間領域法(Finite Difference Time Domain method)により金粒子および誘電体粒子下の光強度分布を計算し、推進速度および推進角度を求めた。プラズモン共鳴過程と粒子質量に対する近接場光エネルギーの関係により、金粒子では200 nm以下の大きさでは推進速度はほとんど変化しない。250 nm以上の粒子径において、基板内部における光エネルギーは増加せず、粒子質量は粒子径の3乗に比例して増加し、推進速度は粒子径の3乗に反比例して減少した。誘電体粒子(ポリスチレン)では、推進速度の極大が存在する。双極、4重極、6重極のモードを形成する粒子径よりも20 nmから30 nmほど小さい粒子において極大を取ることがわかった。基板内部の光エネルギーと粒子体積の比が最も大きくなる場合に推進速度が極大を取ると考えられる。以上より、粒子径を変化させることで推進速度を変化できることを示した。また、レーザー入射角度を変化させることで、推進角度を最大5.5度変化できることを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論計算により、推進速度および推進角度を制御できることを示した。

今後の研究の推進方策

当初の計画通り、レーザーパラメータ、粒子速度、導入効率の関係を明らかにすることを目的とし、理論計算および実験研究を進める。

次年度の研究費の使用計画

高分子の細胞内導入の実験的検証を進めるため、細胞培養関連の消耗品を購入。最終年度であるため積極的に成果を発表する。旅費および論文掲載費を計上。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] フェムト秒レーザ励起局在増強近接場光生成プラズマによる微粒子推進

    • 著者名/発表者名
      篠原拓也,小原豪,寺川光洋
    • 学会等名
      第73回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      愛媛県松山市

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公開日: 2014-07-24  

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