研究課題/領域番号 |
23650314
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
出江 紳一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80176239)
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研究分担者 |
竹内 直行 東北大学, 大学病院, 助教 (10374498)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | ニューロモジュレーション / ブレインマシンインターフェイス / 神経科学 / リハビリテーション |
研究概要 |
リハビリテーション分野において外部から刺激を行い大脳皮質の興奮性を変化させることによって、中枢神経疾患の運動機能改善、言語機能や認知機能への治療が研究されている。これらの手法はニューロモジュレーションと呼ばれ、主に反復経頭蓋磁気刺激 (rTMS)、経頭蓋直流電気刺激 (tDCS)が用いられている。しかしながら、刺激方法は経験則に由来し効果を認めない症例もあり、個人間の変動及び刺激時の状態に左右されない適切な刺激条件の設定が求められている。脳信号を解析し運動及びコミュニケーションの補助を行う技術はブレイン・マシン・インターフェイス(Brain-Machine Interface; BMI)と呼ばれ、リハビリテーション分野において注目を集めている。脳波を利用した非侵襲型BMIは、得られる信号が微弱で個人間の変動が大きいこと、安定した脳信号を検出するためには被験者に長期間の訓練を要することが問題となっている。上記の問題点を解決するために、非侵襲的に刺激可能な経頭蓋直流電気刺激を用いる事で大脳皮質の興奮性を変化させ、運動イメージ中の脳波信号変化を計測し、BMI効率の改善を目指す基礎実験を行っている。興奮性刺激では脳波信号の増強、抑制性刺激では脳波信号の低下が得られているがさらなる解析が必要と考えられる。健常者に加え、BMIの臨床応用が期待されている運動麻痺が残存した脳卒中患者及び四肢切断患者を対象とし検討を重ねる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者だけでなく、BMIの臨床応用が期待されている運動麻痺が残存した患者群においても研究が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
ニューロモジュレーションで大脳皮質の興奮性を変化させ、BMIに用いる脳信号パターンを増幅・脳信号のコントロール訓練効果の増大を引き起こし、BMI精度を向上させる。BMI技術を利用し脳活動を被験者にフィードバックすることにより被験者自身で脳活動をコントロール・安定化させ、脳活動の状態に合わせた監視型ニューロモジュレーション法を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
上記計画のため脳波解析ソフトの購入を予定している。また次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成24年度請求額とあわせ、次年度に計画している研究の遂行に使用する予定である。
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