研究課題/領域番号 |
23650323
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
内藤 尚 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40392203)
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研究分担者 |
田中 正夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40163571)
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キーワード | バイオメカニクス / 関節受動抵抗 / 関節動態 / 筋・靭帯・骨格系モデル |
研究概要 |
本研究の目的は,足関節周りの関節受動抵抗の発生機序を解明し,運動中に足関節周りに発揮されるモーメントに関節受動抵抗がどの程度影響しているか推定する手法を開発することである.本課題では,荷重時と無荷重時の関節受動抵抗の変化について,足関節を構成する骨の位置関係,筋腱複合体の弾性要素の3次元的な伸びの2つの要素の影響を詳細に調べ,それらの要素を統合化した数値シミュレーションモデルを開発し,立脚時に下肢関節で発揮される関節受動抵抗モーメントの推定手法を提案する. 本年度は,人体の骨形状CTデータを元にして,足部節および脛骨と腓骨の遠位部の骨格と靭帯について,それぞれを剛体とバネとして表し,骨同士の力学的相互作用を摩擦のない接触として足関節から足部の力学モデルを構築した.また,構築したモデルを用いて,関節受動抵抗特性を計算し,これまでに実験により得られている受動特性と比較による靭帯パラメータのパラメータフィッティングを行った上で,立脚期の荷重状態を模擬した際の受動抵抗特性を推定した.その結果,立脚期を模擬した荷重により受動抵抗特性は変化するが,その変化の程度は予測されたものより小さなオーダの変化であった.その理由はまだ十分明らかにはできていないが,次の課題は,シミュレーション結果の妥当性を検証する比較実験を行うことである.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では,超音波画像から3次元筋骨格系の形状を再構成する装置を開発する.超音波画像取得装置のプローブに荷重検出装置を組み込んだ機種を予算内で選定するのに時間を要した.計画がやや遅れているのは,その検討に時間がかかったことが理由である.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる来年度は,超音波画像装置を用いた足関節構成骨の形状・動態および主要筋の動態計測システムの構築,および実測値を参照データとする筋骨格モデル逆問題的解析による関節受動抵抗モーメント発生機序の解明と立位時の関節受動抵抗モーメントの推定手法の提案,を達成する.
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究では,足関節を構成する骨格構造,骨格筋・腱・靭帯の形態および動態をモデル化するために,これらの情報を計測によって取得する必要がある.研究費は超音波画像診断装置およびMRI装置を用いた計測系を構築するために使用する.
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