研究課題/領域番号 |
23650328
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小山 善哉 長崎大学, 大学病院, 助教 (90253682)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 嚥下リハビリ / 蕎麦啜り / 表面筋電図 / チューブ吸い |
研究概要 |
1.チューブ吸い"蕎麦啜り様訓練"の表面筋電図をもちいた評価 健常成人16名(平均年齢22.2歳)を被験者とし、舌骨上下筋群および胸鎖乳突筋の表面筋活動量をチューブ吸い"蕎麦啜り様訓練"と従来法のシャキア訓練やメンデルゾーン手技等実施時に計測した。得られた筋活動量を正規化し%MVCを比較した。当該訓練時には、舌骨上下筋群では、シャキア訓練に匹敵する高い筋活動量を示す一方で、胸鎖乳突筋の活動量は小さく嚥下に直接関係しない頚部筋には負荷が少ない結果を示した。 当該訓練法は高齢者や頸椎症等頚部運動に制限のある摂食機能障害者にも応用可能な嚥下リハビリ訓練法である可能性が示唆された。2.日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌投稿筋電図計を用いた研究成果を上記学会に、論文名「栄養カテーテルチューブをもちいた嚥下リハビリ手技"蕎麦啜り様訓練"の表面筋電図による評価」で投稿し、平成24年2月28日受理され、現在査読中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常成人16名を被験者として、栄養カテーテルチューブをもちいた"蕎麦啜り様訓練"を従来の嚥下リハビリ手技と表面筋電図をもちい舌骨上下筋群および胸鎖乳突筋の筋電位を比較し評価した。その結果、"蕎麦啜り様"訓練は舌骨上下筋群では従来法に匹敵する高い筋電位を示す一方、胸鎖乳突筋では筋電位が低く、嚥下に関連しない頚部筋に負荷が少なく、高齢者や頸椎症等頚部運動障碍者に有効なリハビリ手技であることが確認できた。エックス線透視画像による舌骨拳上の評価は未だ実施していないが、現時点での成果を、日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌に投稿し受理させ、現在査読中である。
|
今後の研究の推進方策 |
健常成人を被験者として、栄養チューブ吸い"蕎麦啜り様訓練"のエックス線透視による舌骨拳上の評価に加え、咽頭収縮機能をマルチチャンネル咽頭圧計をもちいた評価を計画している。舌骨上下筋に加え、舌骨拳上・咽頭収縮の機能向上効果が当該訓練法で認められれば、間接訓練法としてきわめて有効と評価できる。成果は海外関連学会雑誌に投稿したいと考えている。
|
次年度の研究費の使用計画 |
表面筋電図測定の消耗品に加え、咽頭圧計の関連機器と消耗品も必要である。エックス線透視および咽頭圧測定は他の研究機関との連携が必要で研究打ち合わせ等の出張費、20名~30名の被験者への謝礼も必要である。また成果は関連学会での発表、海外雑誌への投稿料等必要と考えている。
|