研究課題
昨年の結果から,MWは40Wの強度で使用した.無処置群,ラットの両膝にPBSを関節内投与する群(PBS群),Glnを関節内投与する群(Gln群),MWを照射する群(MW群)およびMWとGlnを併用する群(MW+Gln群)に分けた.Real-time RT-PCRを用いて,HSP70,アグリカンおよびII型コラーゲンの遺伝子発現を解析した.Queを用いてHSP70抑制試験を行った.ラットの左膝前十字靭帯を切離し,OAモデルを作製した.PBSを関節内投与する群(対照群),MWとGlnを併用する群(MW+Gln群),MWとGlnの併用にQueを関節内投与する群(MW+Gln+Que群)および膝関節を切開しただけのsham群に分けた.MWの照射とGlnの関節内投与は週2回行い,4週経過後に左膝関節を採取した.H-E染色およびSafranin O染色を行った.modified Mankin scaleを用いて軟骨変性の程度を評価した.PBS群とGln群でHSP70とアグリカンの遺伝子発現は変化しなかったが,MW+Gln群で有意に増加した.Que単独投与によりHSP70とアグリカンの遺伝子発現は影響されなかったが,MW+Gln群にQueを投与すると,HSP70とアグリカンの発現の増加は消失した.OAモデルでは,対照群に関節軟骨表層に不整はみられなかったが,軟骨基質の染色性が低下していた.MW+Gln群では軟骨基質の染色性が保たれており,軟骨基質の破壊が抑制され,modified Mankin scaleが有意に改善した.MW+Gln+Que群では軟骨基質の染色性の低下とOA重症度の増悪をみとめ,MWとGlnの併用による治療効果は消失した.本研究でMWとGlnの併用がHSP70を誘導し,軟骨代謝を活性化させ,動物OAモデルに対してOAの進行抑制効果をもつことが明らかとなった.
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Journal of orthopaedic research
巻: 31 ページ: 894-900
10.1002/jor.22307