研究課題/領域番号 |
23650345
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
市江 雅芳 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20193427)
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研究分担者 |
赤澤 堅造 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30029277)
佐藤 正之 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70303732)
塚原 徹也 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター, 研究室長 (30217278)
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キーワード | 音楽療法 / 認知症 / 高齢者 |
研究概要 |
<研究目的>本研究は、高齢者や認知症患者が音楽活動による健康増進の恩恵を受けられるよう、楽譜を読む能力を身につけるためのトレーニングシステムを開発することを目的としている。 <トレーニングシステムの開発>当初、大阪工業大学の赤澤が開発したタッチパネル式の「Cymis」をベースにシステムを開発する予定であったが、京都医療センターで試作機を運用する中で、臨床応用するためには新たな装置を開発しなければならないことが判明した。そこで、新たにタッチパネル式のWindowsパソコンを導入して、プログラミングから取り組んだ。その結果、タッチパネルに表示された五線譜上の音符に触れると、その音が鳴り、同時に合成音声で音名が読み上げられるシステムが出来上がった。midiキーボードをこのシステムに接続した場合は、キーボードの鍵盤を押すと、その音が鳴ると同時に、合成音声で音名が読み上げられる。同様に、ウィンドmidiを接続すると、クラリネット型のウィンドmidiの指使いに応じて、吹いた音の音名が読み上げられる。 <臨床応用>このシステムを、京都医療センター認知症外来の患者さんの音楽療法に実際に使っていただいたところ、いくつかの問題点が判明した。システムの操作は簡単ではあるが、認知症患者にとっては記憶障害から積み重ね学習が出来ず、毎回のセッションでシステムの操作を一から覚えなければならない。また、集中力もある程度必要なことから、このままのシステムでは認知症患者の読譜トレーニングには使えないことが分かった。 <まとめ>本システムの開発には成功したが、臨床応用の範囲は限られる。研究期間終了後も、音楽に興味があるにもかかわらず楽譜が読めない高齢者への臨床応用を検討していくこととした。
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