研究課題/領域番号 |
23650366
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神崎 素樹 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (30313167)
|
キーワード | 力調節 / 二次元平面 / 至適方位 / 共分散 |
研究概要 |
幼児の運動能力の評価には、筋量や筋力といった量的特性による評価が主であった。本研究はこれまで注目を浴びなかった幼児の力調節能力の重要性に着目し、この能力を定量評価する方法の確立を本年度の目的とした。前年度は、人差し指の動作調節について評価方法を開発した。本年度は、人差し指の360度水平面での力調節について評価方法を開発することを目的とした。まず、3分力計を内在した人差し指の360度水平面の力分力を測定する機器を作成した。人差し指の36度水平面の力調節は、力変動の分布の形(楕円で近似)から評価した。すなわち、楕円の長軸と短軸および力発揮方向との位置関係から共分散として数値化した。その結果、人差し指の力調節能力は、人差し指の解剖学的至適方位とは異なる活動至適方位が存在することが示された。この結果より、力の変動の仕方を捉えることにより、人差し指の力調節の至適方位を定量することが可能となった。本年度の結果より、幼児の運動調節能力の“力調節”を評価することが可能となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
三分力計を内在した人差し指の力調節能力測定器を作成し、これを用いて、人差し指の力調節能力を定量することが可能となった。
|
今後の研究の推進方策 |
人差し指の動作調節(前年度)および力調節(本年度)を定量することが可能となった。今後は、幼児の動作調節および力調節を定量し、若齢者と比較検討する。その検討から、幼児の動作および力調節の特徴を抽出する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
幼児の動作調節および力調節を測定するための消耗品が必要となる。人差し指周りの筋の筋電図および超音波画像を捉えるための関連消耗品が必要となる。実験を行う際の被験者謝金および測定解析用のソフトなどが必要となる。
|