研究課題/領域番号 |
23650370
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐野 淳 筑波大学, 体育系, 教授 (50178802)
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キーワード | 技術分析 |
研究概要 |
スポーツにおいて動きかたとことばを同次元の問題性ととらえて、ことばから技術内容を分析しようとする本研究の試みでは、人間の課題解決の動きかたは、単なる動作というものではなく、課題解決のための準備、そして課題解決の主要機能、収めといった一連の機能であり、それはことばの線状的機能に類比するものだとの考え方が核となっている。 こうした考えから、まず、ことばの規則を調べ、さらに言語理解におけるそうしたことばの規則の構造と性質について明らかにしようとすることからはじめた。この作業は初年度の平成23年度から着手され、24年度も引き続き行ったが、最終年度でもさらに続けていく予定である。この作業において、ことばには思想、考え、動感(感じ)などを表明するための固有の規則のあることがある程度明らかになってきており、最終年度ではそうしたことばの規則と構造、性質がスポーツにおける動きかたと関係づける考察を行う予定である。 また、スポーツにおける実際の技術内容(とくに、専門文献に記載されている技術ないし動きかたの内容。鉄棒のけ上がりで蹴り上げる方向はななめ上方の方がいい、ジャンプするときの腕の振り上げ方は「このようにする!」など・・・)を調べる作業も、平成23年度に着手し、そして24年度も行い、技術内容として説明されている内容の定式化を試みる作業もある程度行ったが、これについても、最終年度も継続して作業を続けて行い、現象学的立場からの新しい技術分析法の可能性に言及したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度(23年度)は大学内の他の仕事も重なり、若干、遅れ気味であった。昨年度は大学内の仕事の量が決して減ったわけではないが、本研究の課題の達成の見通しも見えてきたことも手伝って、少しスピードアップし、研究を進めることができたと感じている。ことばの規則や発話の構造や性質の調査および分析に関しては、初年度から言語学の文献を調べはじめ現在も継続中であるが、その中で、いくつかの重要なことばの規則や構造上の特徴のあることがわかってきた。また、そうしたことばの規則や発話上の構造は、われわれが動きに関して発話する際に大きく関係していることも明らかになってきた。この点に関しては、平成24年度大26回日本スポーツ運動学会において発表した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は新しい視点から、現象学的な技術分析法の「構築」ということで取り組んでいるが、ことばの分析を通した技術分析の可能性を示すことは、何とか予定通り、進めていけるのではないかと思っている。ことばの規則や発話上の構造に関しては、言語学の文献を中心に調査してある程度整理して提示できるようにしたが、まだ十分とは言えない感じがする。これらに関しては、もう少し踏み込んだ分析をしていきたいと思っている。また、われわれが動きの技術を発話する際の発話上の特徴を浮き彫りにすることも本年度の大きな取り組みとも言え、これらも含めて、本研究のまとめのための時間を確保するつもりである。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究は、文献調査を基本としてことばの性質を明らかにするとともに、われわれが動きの技術をどのように発話するかを明らかにすることを目的として、そこから技術分析の可能性を見出すことを目指したものである。そうしたことから、文献調査は重要な作業である。最後の年度ではあるが、調べておくべき文献が出てきた場合には、必要に応じて文献を購入しようと考えてはいる。現在、基本となる文献に関しては、手元に確保している状態ではある。次年度の研究費は、基本的に、研究をまとめ、発表するための経費(用紙や印刷経費等)に充てることを予定している。
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