研究課題/領域番号 |
23650371
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三木 ひろみ 筑波大学, 体育系, 准教授 (60292538)
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キーワード | グローバル人材 / 人材育成プログラム / 協働教育プログラム / サマースクール / ショートタームプログラム / 海外インターンシップ / 国際情報交流(米国、英国、アジア等) |
研究概要 |
国際交流協定を締結している海外の大学との9日間の協働教育プログラムTsukuba Summer Institute for Physical Education and Sportを実施した。8カ国から45名の学生と27名の日本人学生が、英語によるワークショップと並行して共同研究を計画するグループワークと、日本のスポーツ・身体文化に関する講義と実技の2種類のプログラムに参加した。終了後に協定校の教員とプログラムの評価を行った。事前プログラムとして学内の留学生とのスポーツ活動を行い、その結果、本プログラムの開始当初から積極的な交流が見られたが、学習課題に関するコミュニケーションは各自の英語力を反映して低調で、英語圏のリーダーに割り振られた役割をこなす学生が多く、高低に関わらず各自のレベルでコミュニケーションすることはなかった。インフォーマルなサポートは海外の学生・教員から評価されたが、ホストとしての活動を自主的に行うことはなかった。比較文化をテーマとする国別グループ活動を加えたことで、比較文化的視点での発表が多くなった。 各自の英語のレベルでコミュニケーションする能力を高めるため、英語でスポーツ指導や体力測定、コーチや選手間の交渉場面のロールプレイ、集団討論など、具体的な場面を設定しそれらの場面で特有の表現や文法、ボキャブラリーを示しながら進めるワークショップを試験的に実施した。文法や表現事例を参考にして積極的なコミュニケーションができるようになった。海外インターンシッププログラムとして、シンガポールに2名の体育学部生を派遣した。1名は協定校でのスポーツ科学科目の受講とトレーニング、1名は海外での就職活動を想定したフィールドワークを行った。体育専攻生の場合は、専門種目のトレーニングや交流試合を含む研修によって交流範囲や積極的な行動が促進されることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
米国、イギリス、オーストラリアの大学教員の協力を得て、多国籍のメンバーからなるグループワークを中心とした協働学習プログラムを毎年改善しながら継続することができている。英語による多国籍協働学習プログラムの課題や教材、事前学習プログラムの開発が進んでいる。 日本国内で実施しているこのようなグローバル人材育成プログラムが、英語圏を含む海外の大学の教員や学生にとっても有意義な学習の場として認められるようになってきたため、海外からの参加大学数が増えている。これを受けて、海外の大学に派遣するプログラムの開発に着手することができている。
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今後の研究の推進方策 |
日本の大学で行っている協働学習プログラムを海外の大学で実施することは実現できなかった。海外の大学で開設されている様々な既存のプログラムと組み合わせることを検討する必要がある。欧米の多くの大学では世界各地に学生を派遣するStudy Abroad プログラムを実施している。これらのStudy Abroadプログラムの、グローバル人材教育プログラムとしての質の保障について調査し、プログラムの評価の観点を明らかにするとともに、多くの優秀な学生をアメリカから受け入れるより質の高いStudy Abroadプログラムの開発を検討する。また、ASEANなど、英語を第二外国語とする国で語学研修とインターンシップを行うプログラムの開発と学習成果の評価方法についても検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年3月に発注納品が済んでいたが、決済が4月になったため、平成25年度への繰り越しが生じた。現時点では既に決済が済んでいるので、繰り越し分の使用計画はない。
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