本研究期間を通じて、最終的に、グローバル人材育成プログラムとして、1)プレプログラム、2)協働学習プログラム、3)派遣プログラムの3つのプログラムの開発を行った。 1)プレプログラムとして、英語によるグループディスカッションとスポーツ指導の英語ワークショップ、2)協働学習プログラムとして、異文化多領域の学生による、①研究プランニング、②スポーツ・身体・文化活動、③実験・ラボワークショップ、3)派遣プログラムとして、①語学研修プログラム、②トレーニング・スポーツ科学研修プログラム、③スポーツ指導研修プログラムを実施した。スポーツ活動、研究活動、文化交流活動などを通じて、教室、グラウンド、学校現場、実験室、キャンプ場など様々な場所を活用して、体育系の学生や日本人学生の得意な面を活かすことができる様々な活動を通じて、グローバル人材としての資質を高めることを意図したプログラムを実施した。 いずれのプログラムにおいても、活動や場所のメリットによって様々な国の研究者や学生と交流するきっかけをつかむことができたが、活動や学習の深まり、経験を気づきや知識として獲得する力は、他国の学生の方が強く、異文化から学んだことを自分の考えに取り入れることの価値の実感やそれを広めようとする行動は他国の学生に多く見られた。 その理由として多くの日本人学生が挙げていたことは英語力が不十分であることだった。しかし、本研究で実施したグローバル人材育成プログラム参加後に、海外への留学や研修、就職にチャレンジし、本プログラムへの参加がきっかけとなったという日本人学生の英語力は必ずしも高いものではなく、共通して見られた特性は、挑戦する態度と専心性であった。様々な活動の中から良いきっかけが生まれるだけでなく、それを強い引力にするために、多様な活動の中にも1つ集中して責任をもって行う活動を設けることの重要性が示唆された。
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