研究課題/領域番号 |
23650374
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
岩田 靖 信州大学, 教育学部, 教授 (60213295)
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研究分担者 |
平野 吉直 信州大学, 教育学部, 教授 (40293534)
結城 匡啓 信州大学, 教育学部, 教授 (90302398)
安達 仁美 信州大学, 教育学部, 助教 (30506712)
谷塚 光典 信州大学, 教育学部, 准教授 (30323231)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 教師教育 / 教員養成 / 保健体育科教育 / リフレクション / 省察 / 臨床経験 / 授業研究 / ポートフォリオ |
研究概要 |
本研究の目的は,全ての教育学部教員が教員養成に貢献できる「教職実践演習」指導マニュアルを,教科専門教員と教科教育教員が連携して開発することである。初年度である平成23年度は次の研究を実施した。1.1年次「教育臨床基礎」のリフレクション演習参画時の指導の在り方を検討した。前期と後期のそれぞれの最後に,附属松本学校園における臨床経験をふり返り,自分が経験したことの意義・意味を考え,その場では気づかなかったことを再発見するとともに,経験によって成長した自分をも自覚し,今後の活動に生かせるようにするグループ討議・討議の機会を設定した。そして,専攻・分野別のリフレクション演習に,1年次生クラス担任である学部教員が加わり,討議のなかから課題や問題を抽出したり,学生の今後に示唆を与えたりするようにした。2.1年次「教育臨床基礎」履修学生が,教育実習の研究授業を参観する際の事前指導・事後指導の在り方を検討することと合わせて,教員養成初期段階の学生が教育実習生の授業研究会へ参加することの成果と課題を明らかにした。参観記録をとりながら授業参観することに加えて,授業研究会にも参加することによって,教員養成初期段階の授業研究力を育てることができ,このことが「教育実習」や「教職実践演習」の履修に体系的につながることがわかった。3.次の研究発表等を行った。(1)谷塚光典・安達仁美・岩田靖・平野吉直・結城匡啓「体系的な臨床経験科目におけるリフレクション指導の検討-教科専門教員と教科教育教員の連携に着目して-」,日本教育大学協会全国教育実習研究部門第25回研究協議会.(2)安達仁美・八木雄一郎・西一夫・谷塚光典・三澤雅志・中村紗矢香・丸山剛生「教員養成初期段階の学生に対する授業研究方法指導プログラムの開発(2)-教育実習生の授業研究会への参加を通して-」,日本教育大学協会研究集会.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度である平成23年度は,特に1年次生の「教育臨床基礎」に焦点を合わせて,リフレクション演習の指導の在り方及び教育実習参観の指導の在り方を検討した。教職キャリアへの動機付けとしても重要な教員養成初期段階について研究することによって,2年次以降の教職指導の方向付けをすることに繋がった。 これらの研究成果は,日本教育大学協会全国教育実習研究部門及び日本教育大学協会研究集会において研究発表を行うことができた。 これらのことから,研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)2年次「教育臨床演習」履修学生から長野市内公立小・中学校の特定の学校に所属する学生群を取り上げて,参観時の指導のポイントを検討する。(2)2年次「教育臨床演習」の実習後に行われる,グループ討議によるリフレクション演習について,参画する学部教員がどのように指導・助言を行うのか,学生による討議の様子と学部教員による指導の様子を記録・分析し,指導のポイントを検討する。(3)2年次生は,「教育臨床演習」の実習後,教職ポートフォリオを作成し,自己の活動をリフレクションすることと合わせて,今後の課題を明確化する。その際に,閲覧した学部教員がどのようにコメントを記入するのかを記録・分析し,指導のポイントを検討する。(4)日本や諸外国における教員養成に関する文献・資料の収集・分析を継続する。(5)国内学会に参加し,教師教育研究者との交流を通して情報収集を進めることと合わせて,これまでの成果を発表して意見交換する。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)当初計画で見込んだよりも安価に研究が完了したため,次年度使用額が生じた。(2)臨床経験科目における学生の実習の様子を撮影するビデオカメラ及びその周辺機器と記録用テープを購入するために,設備備品費及び消耗品費を用いる。撮影したビデオテープの整理・編集時には,研究協力者(大学院生)に依頼して,謝金(資料整理)を支出する。(3)教育実習生の授業の様子を中継・収録するシステムを購入して設置するために,設備備品費及び消耗品費を用いる。機器の運用時には,研究協力者(大学院生)に依頼して,謝金(運用管理・調整)を支出する。(4)教師教育に関連する文献・資料を収集して分析するために,設備備品費を用いる。(5)研究成果を随時発表し,国内外の研究者と情報交換・学術交流するために,国内旅費及び外国旅費を用いる。学会参加費として,その他(学会参加費)を支出する。
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