研究課題/領域番号 |
23650375
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
金高 宏文 鹿屋体育大学, スポーツ・武道実践科学系, 教授 (40214928)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ネットワーク / 動感 / 初級者 / 技術習得 / カン / コツ / 大学生 / 動き |
研究概要 |
本研究は,初心者や初級者が必要とする「動きのコツ」を明らかにするために,体育専攻学生から各種スポーツの「動きのコツ」情報を収集し,「動きのコツ」に関するデータベースを構築するものである.当該年度は,「動きのコツ」の情報収集(課題1)と情報データベースの試作(課題2)を行った.(課題1)の「動きのコツ」に関する情報収集は,まずは多くのスポーツ種目の情報を効率よく得るために,体育専攻学生の2年次192名を対象に,各大学生が獲得した「動きのコツ」に関するレポートを金高ほか(2010)が考案した手順に従って作成させた.報告された種目は,18運動種目で,それぞれの種目で多様な技や状況のコツやカンが報告され,これらをデータベースの基礎情報としてデータ化した.次に,調査時間が確保でき,協力に同意が得られた10名について,さらに詳しい聴き取りを行った.そしてインタビュー内容,レポート内容,身振り等が撮影されたVTRを参考に「動きのコツ」に関する分解写真等を付した概念図の作成,概念図を説明するための解説を作成した.そして,調査協力者に内容の修正・確認を行った.(課題2)の情報データベースの試作は,既存のデータベースソフト(File Maker Pro)を基本として個人的に試作を行った.暫定的にデータベース構築の検索カテゴリーは,スポーツの種目,各動き(プレー),そのスキルレベル,獲得年齢,獲得となる前提条件などを基本として,構成した.データべーストしてはかなり稚拙ではあるが,次年度以降も修正を行いブラッシュアップする予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究計画上のコツ等の収集の目標数は,20件であった.しかし,実際には10件となった.これは,協力者のインタビューを行う時間の確保が予定よりも多くかかったことによるものである.その意味からすると,「やや遅れている」と評価される. 一方,1件のデータの完成手続き等はルーチン化できているので,コツ等のデータ化は順調に進んでいるとも評価できる.また,今後の調査効率を考えて,当初の予定になかった約200名の体育専攻学生に対して,コツ等に関するレポート作成をさせることが出来きた点は,今後の調査の見通しやインタビュー効率を高めることに非常に効果的であった.この点は,当初の計画を大きく上回る伸展が得られたとも評価できる. このようなことから,マイナス,プラスで「おおむね順調に進展している」と評価した.
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は「動きのコツ」の情報収集(課題1)と情報データベースの学内での試験運用(課題3)を行う.1)「動きのコツ」に関する情報収集は,平成23年度と同様な手順により体育専攻学生20-30名を対象に実施する.2)データベースの学内運用による検証は,試作したデータベースをインターネット上に掲載できるようにホームページを専門業者に外注し,作成する.ただし,運用は学内のみとして運用し,その運用評価のカテゴリーを検討する. 平成25年度は「動きのコツ」の情報収集(課題1)と情報データベースのインターネット上での運用(課題3)を行う.1)「動きのコツ」に関する情報収集は,平成23年度と同様な手順により体育専攻学生20名を対象に実施する(平成23年度に不足した10件を加算した人数とする).2)データベースのインターネット上での運用による検証は,データベースをインターネット上に公開し,データベースの運用を当該年の6月より開始し,12月までの運用実績を基に,「動きのコツ」に関するデータベースの実用性を評価する.そして,掲載データに関する階層構造などを検討し,データベースの再構築を行い,次年度,4月から再度の運用を開始する. また,本研究の研究成果として,本取組について「スポーツコーチング学研究」へ投稿を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度に使用する助成金が生じたのは,インタビュー調査が年度を跨いで3~5月に実施することとなり,調査協力者への謝金及び情報の整理に掛かる賃金を年度内予算で支払うことが出来なかったためである.当該経費は,次年度当初の中で「動きのコツ」に関する情報収集の人件費・謝金で使用される.
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