研究課題/領域番号 |
23650376
|
研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
三宅 紀子 東京国際大学, 人間社会学部, 教授 (60137023)
|
キーワード | 身体像 / 測定法 / 描画分析 / 摂食態度 / 身体満足度 |
研究概要 |
本研究課題では摂食障害に深く関係する身体像を取り上げ、身体像を測定する方法を考案するとともに、考案した方法を用いて摂食障害予防に役立つ教育的な介入方法を模索することが目的である。 本年度は研究参加者の摂食態度および身体に関する諸指標(身体満足度、身体関心度、体型認識度、身体に対する感情、身体に対する態度)を事前に調査したのち、身体描画法および自己分析ワークシートを用いた介入を行い、それによって変化した研究参加者の摂食態度や身体に関する諸指標のデータを実験的に収集した。 また、一昨年度、昨年度の実験により得られた身体像のデータをフーリエ解析によって分析を行った。その結果、身体像の写真データと描画データとが同一画面上に再現され、視覚的に両者の差異を認識し、比較することが容易になった。これにより、今まで写真画像は写真画像、描画画像は描画画像と別々に観察することしかできず、両画像の比較は各々の画像の身長を基にした比率で表し、数値の比較・検討しかできなかったが、フーリエ解析による分析により同一画像上に線画で表現されるため、一目で比較・検討することができるようになり、各々の画像の特徴や両画像の相違を視覚的、直感的に認識できるようになった。このことは、対象が自己の実際の写真と描画を比較する際に両画像を比較することが容易になったことで自己の身体像の表出である描画の写真からの逸脱を認識しやすくし、身体像の認識のズレや間違いに気が付きやすくなることを意味し、筆者が目的とする教育的介入の効果を促進することにつながる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画になかったフーリエ解析による分析を行ったため、その分析のために時間がかかり、当初計画の進行が遅れてしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までの研究により得られたデータを基に介入前後での研究協力者の摂食態度および身体に関する諸指標(身体満足度、身体関心度、体型認識度、身体に対する感情、身体に対する態度)の変化を分析・検討し、介入の有効性を検証する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
購入を予定していた分析ソフトを購入しなかったため、未使用額が生じた。それに加え、昨年(2013年)に中国で開催されたISSP(International Society of Sport Psychology)の国際学会において研究発表をする予定でいたが、中国との緊張状態及び環境状況に懸念があったため、参加を取り消したので予定していた旅費が未執行となった。 分析ソフトを購入し、データ分析を進める。英文校閲により発表原稿を整えて、国際学会に参加し成果発表を行う。
|