研究課題
運動の評価には、物体の飛距離や一定の作業を遂行する時間など、ひとまとまりの行動を単一の指標によって評価する方法が広く普及している。しかし、一つのまとまりとして取り扱われている連続的な動きであっても、細部を見れば、時間経過に伴う動きの揺らぎが存在する。運動とは体を動かす営みであり、このような動きの揺らぎは直接的には体に加速度が生じることによって生まれている。経時的な加速度計測による運動の可視化が実現すれば運動の質を評価することが可能となるが、加速度計測から得られる情報量は膨大なうえ、解析が難解であるため、これまで普及してこなかった。本研究では、動きのリズムに着目し、加速度情報から運動特性を短時間かつ簡便に定量する方法の確立を試みることを目的とし、本年度は下記の成果を得た。昨年度に引き続き、装着型の加速度計測装置の開発を行った。本年度は、加速度と心拍数を2日間に渡って連続的に計測可能な装置を開発した。睡眠中は、心電位記録電極の装着状況が一時的に悪化することがあり、心拍数記録が欠落することがあるものの、概ね、継続的な計測が可能となった。そこで、この装置を実際に装着し、様々な運動時に体に加わる加速度と、その時の心拍数を計測した。さらに、運動時に計測される体の部位の加速度記録を連続ウェーブレット変換することで、動きの周波数とその変動を抽出するプログラムを作成した。これを利用して、歩行、走行、自転車運転時の動きのリズムと心拍数の変動の関連性について比較・検討を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
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