研究課題
実際に飛翔しているサッカーボール周りの渦流れを可視化,検討するため,発煙物質をボールに薄く塗布してキックさせ,後方から高速ビデオカメラ(1000 fps)で撮影した.実際に飛翔しているサッカーボールの後流構造(Re=370000)をみると,進行方向軸に対して偏向し,歪んだループ渦(歪んだヘアピン渦)が放出されている場合が多くみられる.しかし,その偏向方向は,一定方向ではなく,上下が逆転したような構造(Re=380000)になることも観察される.これらのことから,ボール後流の渦構造は不安定であり,進行方向軸周りに回転する大規模構造変化もあると考えられる.そして,この大規模構造の渦振動は,出発渦の形成,変形,崩壊によって励起されている可能性がある. ボール後流の2次元ベクトル図では,渦の大規模構造として1対の渦対が観察されるフェイズと,複雑に渦が混在しているが,大規模構造が不明確なフェイズがみられた.この渦対の大規模構造に,翼端渦のアナロジーを適用すると,ダウンウォッシュに関連した揚力の発生が推測された.この大規模渦対構造による揚力は,ボール進行長軸を軸方向として,ゆっくり回転する場合があり,その場合は,ボールがゆっくり揺れる原因の一つになる可能性があると考えられた.
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