カヤックパドリングにおける動作の変容や消費エネルギーの大きさを,腰背部に装着した3次元身体加速度によって用いて検討した. シミュレーションマシンを用い座位姿勢で行われたパドリング運動において,身体加速度積分値とパワー出力および酸素摂取量との間に有意な生の相関関係が認められ,身体加速度積分値がこれらを反映することが示唆された.水上パドリングでは,艇速度の増大にして身体加速積分値が増大したが,両者の間には変曲点が認められた.変曲点以降では,艇速度増大のために,より大きな動作(腰背部の移動量)とエネルギー消費量が示されており,この変曲点が,艇速度増大に伴う動作変容を示す可能性が考えられた.
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