研究課題/領域番号 |
23650397
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
間野 義之 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (90350438)
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キーワード | 国際情報交換 ベルギー |
研究概要 |
今年度は、日本におけるエリートアスリートやエリートコーチのエリートスポーツ環境(アスリートをエリートアスリートへと成長させ、専門スポーツにおいて最高水準の活躍を達成し続けることを可能とする社会・組織環境)に対する調査を実施し、スコアリングメソッドという分析方法を用いて環境を「見える化」することを中心に進めた。 エリートアスリートに関しては、「タレント発掘・育成」「競技サポート」「トレーニング施設」「コーチへのサポートと養成」の環境は発展しているものの、「ポストキャリアサポート」の環境が著しく進んでいないことが明らかになった。主要な国際大会でベスト8に入るエリートアスリートとそうではないエリートアスリートでは、「スポーツ政策の組織・構造」「タレント発掘・育成」「国際・国内競技大会」の環境に差があることがわかった。また、エリートコーチにおいては「トレーニング施設」の環境が優れており、指導しているアスリートの「ポストキャリアサポート」が未発達領域であることが検証された。 成果は、平成24年度日本スポーツ振興センター地域・体育大学ネットワーク全国会議にて、競技力向上にかかわる自治体の担当者や強化現場のスタッフ、大学関係者に講演され、その他「スポーツ産業学会第21回大会」「The 7th International Sport Sciences Syposium」「The 20th European Association for Sport Management Conference」にて口頭発表された。学術論文としては、International Journal of Sport and Health Scienceに投稿し、現在2回目の修正に対する査読結果待ちである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた国内調査は全て終了した。エリートスポーツ政策の国際比較研究に関する研究者コンソーシアム(SPLISSコンソーシアム)と連携しながら研究を進めているが、扱うデータが膨大であるため国際比較はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究は、引き続きエリートスポーツ環境調査の分析を進めることと、国際比較研究が進められる。得られた各国のエリートスポーツシステムに関する情報や国際比較結果等はSPLISSコンソーシアムで著書として出版する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
9月にイスタンブールで開催されるSPLISSコンソーシアムの会議、および11月にアントワープで開催されるSPLISSコンソーシアムが主催する国際会議「SPLISS conference」への出張が主な支出である。SPLISS conferenceにおいて各国の研究成果や、国際比較研究の成果が報告される予定である。
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