研究課題/領域番号 |
23650399
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
柿山 哲治 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (10255242)
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キーワード | 女子体育 / アメリカ / ユニホーム |
研究概要 |
明治期の長崎活水女學校に、アメリカ人宣教師であるマリアナ・ヤング女史(第2代目校長)により導入された新式体操に関する古写真は、新式体操服を身にまとったものが2点、グラウンドを行進するものが1点、新式体操を演じているものが2点所蔵されていることが確認された。また、卒業生の証言により、ヤング女史が来てから新式体操が毎日16時から30分間行われていたこと、新式体操服は当時ユニフォームと呼んでおり、通常の和服から洋装になるのを恥として免除を願い出る生徒もいたこと、新式体操は音楽に合わせ、号令は全て英語、木環・棍棒・唖鈴を使って行っていたことが明らかとなった。さらに、1930(昭和5)年に開催された創立五十周年記念行事では、来賓として出席したヤング女史に教えを受け、在校生により当時の新式体操が再現され、その内容はBreathing Exercise、Free Gymnastics、Lancing、Percussion Exerciseの4種目であったことが明らかにされた。また、明治35年に撮影された、女生徒が新式体操を演じている背後にバスケットゴールらしきものが確認された。バスケットボールが大森兵蔵により日本に最初に紹介されたのは明治41年が定説とされているため、史実確認が必要と思われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
活水学院資料室に所蔵されている史料の確認はほぼ終了し、明治期の長崎活水女學校で新式体操が始められた時期、時間、服装、日本人女性指導者、内容がほぼ明らかにされた。
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今後の研究の推進方策 |
発掘された古写真に、学校規則や卒業生の証言から得られた史実に基づいた解説を加えることにより、本研究の報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度は、活水学院から調査協力の承諾を得るのに3ヶ月の期間を要したため、予定通り調査研究を終了することができず、報告書を作成することができなかった。したがって、次年度は、昨年度予定していた調査研究を補完するための旅費と研究成果物を発行するための作成費に使用する。
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