研究課題/領域番号 |
23650406
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
井本 逸勢 (橘 逸勢) 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30258610)
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研究分担者 |
中屋 豊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50136222)
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20263824)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2012-03-31
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キーワード | 高運動習性ラット / ゲノム / 次世代シーケンサー / 連鎖解析 |
研究概要 |
Wistar系ラットから樹立された高運動習性動物モデルであるSPORTS(Spontaneously Running Tokushima-Shikoku)ラットの表現型形成の分子基盤を解明することを目的に、次世代シーケンサーを用いた全エクソン配列解析、連鎖解析、ならびにデータベースを用いた選択アルゴリズムから新規に構築するラットゲノム解析パイプラインを駆使することで、未同定の原因遺伝子同定を行い以下の結果を得た。 1.公的ゲノムデータベース(RGSC_v3.4)を参照し、Brown Norway(BN)系統ラット参照配列解読情報をもとに、refGene収録遺伝子の全エクソン(エクソン数140,877)をターゲットとし、その約98%をカバーするカスタムエクソンキャプチャー用アレイを設計、作製した。配列解析のため、参照配列上でのゲノム情報の統合の不一致の修正を行った。 2.本アレイを用いて、SPORTSラット、Wistar系ラットのエクソン濃縮を行い、illumina Genome Analyzer IIxによりペアエンド114塩基x2での塩基配決定を行し、BWAによりラットゲノム配列にマッピングした結果平均120x以上の深度でマップされ94%で10リード以上によりカバーされた。BNラット配列を基に、GATK、SAMtoolsによる変異箇所の解析で、当初予定した範囲内である367個の「SPORTSラットでホモでWistarやBNラットと異なり、既知の多型として報告が無い、アミノ酸置換を生じる」候補変異を検出した。 3.連鎖解析のためにF1にBNラットを交雑した戻し交雑子(F1戻し交雑子)BNx(BNxSPOTS)、およびF1同士を交雑したF2交雑子(BNxSPOTS)x(BNxSPOTS)を各25頭作製し、連鎖解析に用いると共に、F1(BNxSPOTS)や交配に使用したBNについて、2と同様にシーケンス解析を行ってF1でヘテロになりかつSPORTSのみで認められる候補領域の絞り込みを行った。 4.上記の結果を統合して得られた候補変異の確認と既知機能データからの予測により得られた責任遺伝子変異候補について、in vitroでの機能解析を行った。また、解析パイプラインの調整やプローブデザインの修正(ラットエクソームアレイVer2)も行うことができ、モデルラットの高速ゲノム解析システムを構築できた。
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