研究課題/領域番号 |
23650411
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水田 健太郎 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (40455796)
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研究分担者 |
正木 英二 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (40221577)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 硫化水素 / 気管支喘息 / 気道リモデリング / 気管平滑筋 |
研究概要 |
本年度は、東日本大震災による研究設備の損壊の影響で、上半期は十分な研究が実施できなかった。その中で以下の研究を行った。1.硫化水素による細胞内Caイオン濃度上昇抑制機構の検討 (in vitro)気管平滑筋収縮は細胞内Caイオン濃度上昇、すなわち、細胞外Caイオン流入(電位依存性Caイオンチャネル、細胞内Caストア作動性Caイオンチャネル)もしくは、イノシトール3リン酸(IP3)を介した細胞内Caストア(筋小胞体)からのCaイオン放出により生じる。そこで、ヒト気管平滑筋細胞への硫化水素ナトリウム投与が、アセチルコリン投与で生じるIP3生合成、細胞内Caイオン濃度上昇作用を抑制させるか、また細胞内Caイオン上昇機構のいずれのプロセスを抑制するのかについて、細胞内Caイメージング法で測定した。その結果、アセチルコリンにより生じる細胞内Ca濃度上昇反応は、硫化水素ナトリウムの前投与により抑制された。2.硫化水素による細胞内MAP kinase調節機構の解明(in vitro)気道リモデリングは、気管平滑筋や気管上皮細胞内でのMAP kinaseの活性化により生じる。そこで、ヒト気管平滑筋細胞や気管上皮細胞への硫化水素ナトリウム投与が、FBS投与で生じるMAP kinase刺激作用を抑制させるかを、Western blot法で測定した。その結果、FBSにより生じるERKリン酸化反応は、硫化水素ナトリウムの前投与により抑制された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、東日本大震災による研究設備の損壊の影響で、設備の更新等に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
研究設備は再整備され、研究可能な体制が整った。次年度は、硫化水素による気管支喘息抑制作用機序の詳細について、検討を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は、主に消耗品費(試薬/抗体類)に充当する予定である。
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