研究課題/領域番号 |
23650413
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
横山 道央 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (40261573)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 映像酔い / 光電容積脈波センサ / 3D / 健康情報 |
研究概要 |
本研究では、発光ダイオード(LED)を用いた小型の光電脈波センサを用いて三次元(3D)立体映像の視聴者における映像酔いを検出する手法を確立し、新しい小型センシングシステムを開発する事を目的とした。平成23年度は、研究開発中のLED光電脈波センサを発展させた指尖光電センサモジュールを開発し、後段の信号処理部、および既存の3D映像システムと合わせた映像酔い対応センシングシステムのプロトタイプ(1チャンネル)として試作した。実際に被験者に事前了承を得た上で3D映像を視聴してもらい、その間、指尖から光電容積脈波を測定するところまでを動作確認した。研究成果の一部(光電容積脈波センサモジュール)を第72回応用物理学会学術講演会附設展示会山形大学展示ブースにおいて展示した。今後、後段信号処理により3D映像酔いに関する生体信号成分を分析する手法を開発すると共に、システムの小型化を目指す予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
映像酔い対応センシングシステムのプロトタイプ試作として、3D映像システムとの合わせ込み、および光電容積脈波信号を計測した後の信号処理部分の開発にかなりの期間を費やした。結果として、試作・動作確認まで達成できたが、信号処理と小型化・多チャンネル化、および専門的な外部(眼科グループ等)の参考意見聴取までには至らなかった。さらに、3D映像とは言え、全編にわたって映像酔いを引き起こすような映像が連続する訳ではないため、特に映像酔いの生じるような部分の特定に時間がかかった。上記を次年度の課題としたい。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度の計画は以下のとおりである。(1)映像酔い成分の信号処理:あらかじめ3D映像の内容・開始からの時刻などを把握した上で、被験者に3D映像を視聴してもらいながら脈波測定し、得られた脈波信号をICA解析・統計解析し、被験者の感想とともに映像酔い特有の成分を抽出する。(2)信号処理部の高速処理・小型化多チャンネル化:信号処理の所要時間を短縮するアルゴリズムを開発すると共に、小型化多チャンネル化し多指からの信号計測により得られる情報をより多くする。3Dメガネとの一体化までを視野に入れてセンサを小型化する。(3)専門的な外部(眼科グループ等)の参考意見聴取。
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次年度の研究費の使用計画 |
開発した試作システムの動作検証の一貫として、別の生体計測装置を用いた同様の3D映像視聴測定を行い、その差異などを評価する傍証実験を行う必要があり、そのための装置を購入する。また、得られた研究成果を学会発表する。
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