• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実績報告書

がん患者の配偶者における健康影響に関する縦断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23650420
研究機関東北大学

研究代表者

中谷 直樹  東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (60422094)

研究分担者 長谷川 涼子  東北大学, 大学病院, その他 (70599901)
大庭 章  群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 研究員 (40542874)
キーワードがん患者 / 配偶者 / 健康影響 / 縦断的研究 / 心理的苦痛 / 前立腺がん
研究概要

わが国においてがん対策基本法の観点からがん患者の配偶者の精神的悪影響に関する調査を実施する必要性があるが、未だ実証的研究はみられない。本研究では、がん患者の配偶者における精神的苦痛の実態を縦断調査により解明し、介入研究の必要性の有無を検証した。
平成25年度 (2013年3月31日まで) まで、4つの対象者集団(a.前立腺がん患者(128人)、b.前立腺がん患者の妻(128人)、c.非前立腺がん患者(112人)、d.非前立腺がん患者の妻 (112人))を4 時期(T1:前立腺生検前、T2:告知1カ月後、T3:告知3カ月後、T4:告知6カ月後)に分けて縦断的に調査した。
本報告ではK6(心理的苦痛に関する指標)の平均スコアについて示す。T2の時点でのK6の平均スコアは、aで4.5、bで4.2、cで2.6、dで3.3であり、a、bがcに比し有意にスコアが高かった(ANOVA P<0.01)。このことから、前立腺がん患者及びその妻が高い心理的苦痛を有していることが示された。
各群別の心理的苦痛の平均スコアを示す。a.前立腺がん患者では、T1で4.1、 T2で4.3、T3で3.3、T4で3.7であった(ANOVA P=0.252)。b.前立腺がん患者の妻では、T1で3.3、T2で3.9、T3で3.0、T4 で2.7であった(ANOVA P=0.029)。c.非前立腺がん患者では、T1で2.4、T2で2.1、T3で1.5、T4で1.9であった(ANOVA P=0.01)。d.非前立腺がん患者の妻では、T1で3.7、T2で2.6、T3で2.3、T4で2.0であった(ANOVA P=0.001)。また、b.前立腺がん患者の妻とd.非前立腺がん患者の妻を比較すると、T1(t-test P=0.275)、T2(t-test P=0.029)、T3(t-test P=0.079)、T4(t-test P=0.681)であり、b.前立腺がん患者の妻の方がT2で有意な高値を示した。したがって、前立腺がん患者の妻の心理的苦痛のスコアが高い状態が告知1カ月後に認められており、この時期の介入研究が最も効果的である可能性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Effect of psychosocial factors on cancer risk and survival.2014

    • 著者名/発表者名
      Nakaya N
    • 雑誌名

      Journal of Epidemiology

      巻: 24 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 心理社会的要因とがん発症・生存に関する最新データ2013

    • 著者名/発表者名
      中谷直樹
    • 雑誌名

      緩和ケア

      巻: 23 ページ: 217

  • [学会発表] 心理社会的因子とがん発症・がん予後に関する疫学研究及び今後の展開.2013

    • 著者名/発表者名
      中谷直樹
    • 学会等名
      第26回日本サイコオンコロジー学会総会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20130920-20130921
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi