研究課題/領域番号 |
23650423
|
研究機関 | 公益財団法人国際科学振興財団 |
研究代表者 |
河合 徳枝 公益財団法人国際科学振興財団, その他部局等, 主任研究員 (50261128)
|
キーワード | ハイパーソニック・エフェクト / 動物実験 / 疾病予防 / 基幹脳 / 音環境情報 |
研究概要 |
研究者らが発見した、可聴域上限をこえ複雑に変化する超高周波成分を豊富に含んだ空気振動が、恒常性維持といった脳の基幹的機能の中枢をなす間脳・中脳からなる〈基幹脳〉を活性化し、自律神経系、内分泌系、免疫系を介して心身機能の向上を導く効果〈ハイパーソニック・エフェクト〉を活用して、特にストレスなどの環境情報要因に起因した現代病に対する予防医療の可能性を検討するための動物実験研究を継続した。 実験動物を使って安全性ならびにストレス疾患予防効果を実証的に研究するための、飼育環境、飼育設備、飼育条件を検討し製作の必要なハードウェアとその運用、および実験呈示音響コンテンツについて開発して、マウスの飼育実験を本格的に開始した。 飼育環境のメンテナンス方法も、適切な方法論を試行しつつ構築した。また飼育中のマウスについて、映像による行動観察システムを構築し、活動量などの定量化ソフトプログラムを試行しつつ開発し、改良を継続している。 予備的飼育期間後の、本格実験開始から3ヶ月程度のため、ハイパーソニック呈示環境下のマウスとハイパーソニック呈示のない環境下のマウスとの生育状況、行動等の相違は、統計処理できる評価指標がまだ蓄積していないが、観察結果からは本研究の目的にそう傾向がみられている。 今後は、マウスの発育、活動量、闘争量、ストレス度、疾病の発症、寿命等、可能な限りの指標について、定量的な評価指標を見出すよう検討していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験棟の完成の遅れにより、実験開始時期が当初の予定より遅れた。また、ハイパーソニックの音呈示の装置の開発も予定より少し遅れた。しかし、その時間を無駄にすることなく、よりよい実験条件を確保し、ハイパーソニックの安全性も含めて確認する上では、設備ならびに装置の準備に十分な時間をとれたことは、研究成果のより厳密な評価においてプラスであると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
動物実験の開始が遅れたが、次年度において成果をまとめる。疾病予防の関するハイパーソニックサウンドの影響んついて、なんらかの客観的指標を見出すことを試みる。具体的には、マウスの発育、活動量、闘争量、ストレス度、疾病の発症率等、可能な限りの指標について、定量的な評価を検討する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
当初の予定どおり、成果のまとめに使用する。
|