研究課題
一過性の高強度運動は食欲低下を引き起こす。近年、胃腸から分泌される食欲関連ホルモンであるアシル化グレリンやペプチドYYなどが、運動誘発生の食欲低下に寄与していることが報告されている。しかしながら、運動様式(体重を支えるか、支えないか)の違いが食欲および食欲関連ホルモンに及ぼす影響はよくわかっていない。縄跳び運動は幼い頃に誰しもが必ず経験する運動様式であり、重心が大きく上下動する特徴がある。そこで本研究は、運動様式の違いが食欲および食欲関連ホルモンに及ぼす影響を明らかにすることであった。被験者は、健康な若年男性15名であった。すべての被験者は、縄跳び運動条件(10分×3セット、回復120分)、自転車運動条件(10分×3セット、回復120分)、コントロール条件(160分)に従事した。測定項目は、血漿アシル化グレリン濃度、ペプチドYY濃度および質問紙による食欲であった。結果として、食欲は、両運動中に有意に低下し、さらに縄跳び運動条件では自転車運動条件と比較して有意に低下した。両運動によって、血漿アシル化グレリン濃度は低下し、ペプチドYY濃度は増加したが、両運動条件間に有意な差は認められなかった。運動後1時間程度で、変化した値はコントロール条件の値と同レベルまで回復した。本研究は、大きな重心の上下動を伴う縄跳び運度は、重心の上下動がほとんどない自転車運動と比較して、運動中により大きな食欲の低下を引き起こすことを示している。そして、これらの結果は、この運動様式の違いによる食欲の応答の違いについて、食欲関連ホルモンでは説明できないことを示唆している。
2: おおむね順調に進展している
平成23年度に予定していた研究計画である「一過性の運動様式の違いが食欲に及ぼす影響」に関する実験は終了した。
運動様式の違いによる食欲の変化の違いをアシル化グレリンやペプチドYYで説明できなかったため、今後はどのような食欲関連ホルモンが関与しているのかを残ったサンプルから解明していく。
残ったサンプルから新たな食欲関連ホルモンを探索するために試薬を購入する。また、最終年度のため、これまでのデータを学会等で発表する。
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