研究課題/領域番号 |
23650446
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
平田 道憲 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (30111660)
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研究分担者 |
今川 真治 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (00211756)
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
田丸 尚美 福山市立大学, その他部局等, 非常勤講師 (00570061)
八重樫 牧子 福山市立大学, 教育学部, 教授 (80069137)
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キーワード | 保育 / 育児不安 / 生活経営学 |
研究概要 |
1.共同子育ての試行を行い,その成果を検討した。広島県福山市において「ちぃとはなそうやぁ」と題して実施した共同子育ての試行には,1歳半から1歳11か月までのこどもと母親8組が参加した。この試行では,1回2時間の共同子育てを8回経験してもらった。共同子育てにおいては,母と子がいっしょに過ごす時間と,母親がこどもと離れてリフレッシュする時間を設定した。この経験を通して,母親もこどもも,最初は母子分離に戸惑いがあってスムーズな分離ができなかったものが,回を重ねるごとに分離の心理的な抵抗が小さくなり,スムーズに分離できるようになった。リフレッシュの時間帯に,母親は,他の母親や大学教員とのコミュニケーションにより,自分を客観視し,自分の育児を再認識することができた。 2.平成23年度に広島県尾道市と鳥取市で実施したアンケート調査の分析を行った。子育てネットワークを手掛ける地域の育児不安とリフレッシュについて,尾道市と鳥取市の比較を行った。子育て環境,子育て環境と育児不安との関連,公的子育て支援のあり方について比較した結果,尾道市と鳥取市の場合には,相違点よりも共通点のほうが多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に実施したアンケート調査の基本的分析は終了し,学会で成果を報告することができた。今年度実施予定であった共同子育ての試行プログラムを実施することができ,観察およびインタビューにより,参加した母親とこどもにとっての効果を明らかにすることができた。共同保育をよりよいものにするためには父親参加が不可欠であることも明らかになり,研究の次のステップにつなげるための父親参加の共同子育ての試行のアイデアも得ることができた。以上のことから,おおむねに順調に進展しているという評価をした。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は本研究の最終年度にあたる。本年度の研究実施計画は次のとおりである。 1.これまで実施したアンケートならびに共同子育て試行に関するデータをさらに深く分析する。 2.この萌芽研究を進展させる一つの方向が父親の育児参加の促進であることが明らかになっている。そこで,最終年度のシンポジウムを兼ねて,父とこどもの共同子育ての試行(キャンプ)を実施する。 3.3年間の成果をまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度の補助金使用計画は次のとおりである。 1.シンポジウムを兼ねた父とこどもの共同子育て試行プログラム実施にかかる費用 2.研究成果を学会報告するための旅費 3.成果報告書印刷費 4.研究を実施するために必要な文具等の消耗品
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