研究課題/領域番号 |
23650447
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
松原 斎樹 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (80165860)
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研究分担者 |
石田 正浩 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (10309883)
森下 正修 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60363967)
飛田 国人 有明工業高等専門学校, 建築学科, 助教 (40465919)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 温暖化対策 / 環境配慮行動 / 放送 / 学生祭典 |
研究概要 |
近年,地球温暖化など環境問題が深刻化し,温暖化二酸化炭素排出量削減が重要視されている。中でも大幅増加が見られる家庭部門での削減は重要である。温暖化対策には技術面からだけでなく,住民の環境配慮意識・行動を促進するアプローチも重要である。本研究では第9回京都学生祭典9)とTOKYO FMのCooooL Music企画10)が,参加者・リスナーの環境配慮意識や行動を促進する効果について考察することを目的とする。方法としては,京都学生祭典の実行委員会委員および一般参加者を対象として,環境配慮意識・行動に関するアンケート調査を,祭典の前と後で行った。回収数は祭典前が129部,祭典後が141部であった。また,ラジオ局の「涼しく感じる音楽」の企画に協力して2011年7月4日から8月28日までの約2ヶ月間,毎日14時頃を中心にオンエアした。放送終了後2週間にわたりWeb調査を実施し,301部の回答を得た。ラジオ局のリスナーについては,「涼しさ感じ」「提案のよさ」「震災前」「震災後」「キャンペーン後」の5項目でそれぞれクロス集計を行ったところ,全て関連が有意であり,キャンペーンで流れた音楽を涼しく感じた人ほど,「震災前」「震災後」「キャンペーン後」で環境配慮意識が改善されていた。また音楽を聴いて涼しさを得るという提案をよいと思っている人ほど環境配慮意識が改善されていた。 全体として,環境配慮意識があまり高くない人でも,これらの企画に参加することで環境配慮意識が向上する例が確認出来,環境配慮行動促進に繋がる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画していた学生祭典実行委員会の調査,ラジオ放送の調査,をほぼ予定通り完了し,集計分析も予定通り進行しており,23年度の結果については,当初予想に近い結果が得られているが,発表・投稿作業がやや遅れ気味であるため。
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今後の研究の推進方策 |
24年度も,学生祭典およびラジオ局の「涼しく感じる音楽キャンペーン」を対象とした社会調査を行う。京都学生祭典実行委員会委員のうち環境プロジェクトの委員および一般参加者(主として踊り手)を対象とした調査については,昨年度の反省に基づいて,祭典の前後において,一部には同一の質問項目を採用することにする。この方針で,前年度と同様のデータを蓄積する。また,ラジオ局のキャンペーンについては,23年度の調査の結果,かなりの予算を要する社会調査結果とラジオ局の行う調査結果の間に大きな差異がないことが確認されたので,24年度はラジオ局のHPにアクセスする方法で調査を行う。上記とは別に,前年度の研究成果をまとめ,日本生気象学会,人間生活環境系学会などで発表する。また,原著論文を完成させて投稿することを目標とする。さらに一部のデータについては,2年分を重ね合わせて,集計・分析・考察を行う。 本研究が新規に明らかにした内容を明確にし,楽しみごとをきっかけにして環境配慮行動を促進する方策について,学術的な知見をまとめるとともに,具体的な政策的提案を考える。今後の課題を整理して,報告書をまとめる。
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次年度の研究費の使用計画 |
統計ソフト,トナー・インクなど消耗品で200千円,研究発表・資料収集などの国内旅費を200千円,アンケートのデータ入力・集計・分析作業および英文校閲の謝金に400千円,論文投稿料に200千円を予定している。
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