研究課題/領域番号 |
23650447
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
松原 斎樹 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (80165860)
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研究分担者 |
石田 正浩 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (10309883)
森下 正修 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (60363967)
飛田 国人 大阪府立大学, 現代システム科学域, 准教授 (40465919)
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キーワード | 温暖化対策 / 環境配慮 / 行動 / 放送 / 学生祭典 |
研究概要 |
近年,地球温暖化など環境問題が深刻化し,温暖化二酸化炭素排出量削減が重要視されている。中でも大幅増加が見られる家庭部門での削減は重要である。温暖化対策には技術面からだけでなく,住民の環境配慮意識・行動を促進するアプローチも重要である。本研究では京都学生祭典とTOKYO FMのCooooL Music企画が,参加者・リスナーの環境配慮意識や行動を促進する効果について考察することを目的としている。 方法としては,2011年度に引き続き2012年度の京都学生祭典の実行委員会委員(環境配慮部署のKSPを含む)および一般参加者である踊り手を対象として,環境配慮意識・行動に関するアンケート調査を,祭典の前と後で行った。回収数は2011年度の祭典前129部,祭典後141部であったが,2012年度は祭典前95部,祭典後135部であった。 学生祭典参加者の調査の分析の結果,以下の知見が得られた。(1) 当初環境配慮意識の高くなかった学生も,KSPに参加することで,環境配慮意識が向上し,環境配慮行動が促進されることが示唆された。 (2)環境配慮行動には自己犠牲的なイメージがあるが,友人との共同作業を行うことにより,楽しみながら普及させるが示唆された。 (3)ごみを分別する立場や運営活動などを経験することが,意識・行動の変化や多くの人に広めたいという気持ちに影響を与えるきっかけになっている。この成果は, 2013年度人間・環境学会大会において発表予定である。 ラジオ局のリスナー調査は,ラジオ局の事情で2012年度の調査を行うことはできなかったが,2011年度のデータを集計分析し,2012年度日本生気象学会のシンポジウムで発表した。 全体として,環境配慮意識があまり高くない人でも,これらの企画に参加することで環境配慮意識が向上する例が確認出来,環境配慮行動促進に繋がる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
最終年度であったが,校務多忙につき,集計・分析を終えて,審査論文の投稿にまで到達できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
集計・分析が遅れているため,25年度は集計・分析を継続して行う。学生祭典の調査結果については,実行委員会のうち,環境に配慮する部署の委員とそれ以外の委員に分類して,さらに一般参加者の3つの属性について,ここのエコイベントへの参加の有無を考慮して,環境配慮意識・行動の変化に与える影響を分析する。環境配慮意識と行動については,「過剰包装を断る(以下過剰包装)」、「詰め替え用品を利用する(以下詰め替え)」、「使い捨て商品の利用を控える(使い捨て)」、「冷暖房の適温設定をする(以下適温設定)」、「待機電力を切る(以下待機電力)」、「水を流しっぱなしにしないようにする(以下水)」の7項目を用いる。 上記と並行して,前年度の研究成果をまとめ,人間・環境学会,日本生気象学会,人間-生活環境系学会などで発表する。また,原著論文を完成させて投稿することを目標とする。さらに一部のデータについては,2年分を重ね合わせて,集計・分析・考察を行う。 本研究が新規に明らかにした内容を明確にし,楽しみごとをきっかけにして環境配慮行動を促進する方策について,学術的な知見をまとめるとともに,具体的な政策的提案を考える。今後の課題を整理して,報告書をまとめる
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次年度の研究費の使用計画 |
人件費 300000 消耗品 45733 その他 50000
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