研究課題/領域番号 |
23650452
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (50332367)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 世代間交流 / 失敗事例 / 内容分析 / チェックリスト / ダークサイド / 世代間交流事業 |
研究概要 |
平成23年度の研究では、(1)新聞記事の内容分析から世代間交流事業の進展を把握した上で、(2)事業主催者に対する質問紙調査により現在の世代間交流事業の課題について明らかにすることを目的とした。(1)新聞記事の内容分析について、1988年4月~2011年12月までの全国紙3紙(朝日新聞、読売新聞、毎日新聞)を対象に、世代間交流事業の変遷をテキストマイニング手法によるコレスポンデンス分析により把握したうえで、Kaplanの「関与の深さ尺度」をもとに世代間交流事業の現状を調べた(339記事)。(2)世代間交流事業主催者に対する質問紙調査に関しては、2009年から2011年に新聞記事またはホームページで見出された72事例を対象に今日の世代間交流事業の課題ついて郵送調査を行った(2011年9月~11月)。交流事業の失敗事例については、クラスター分析により分類をした。(1)新聞記事の内容分析について、90年代末以降に世代間交流事業に関する記事が増加していたが、交流事業の多くが「年中または定期的な行事」であった。(2)事業主催者に対する質問紙調査の最終的な回収数は、58事例(77.3%)であった。失敗事例については、5クラスター(社会・地域の問題、交流内容の問題、世代差の問題、交流環境の問題、参加者確保の問題)が見いだされた。クラスター分析の結果をもとに、世代間交流事業に詳しい研究者や実践家とともに23項目から成るチェックリスト案を作成した。以上の知見をまとめると、世代間交流事業に対する関心の高まりが認められる一方で、これまでの交流事業は世代間の相互関与が浅く、さらに、今日の世代間交流事業の失敗事例には社会的な課題ものから心理的なものに至るまで多様な要因が関連していることが示された。これらの課題について、チェックリストを作成し、多様な世代間交流事業に適応できる評価システムを構築することが求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画通り、(1)新聞記事の内容分析から世代間交流事業の変遷と現状の把握、(2)事業主催者に対する世代間交流事業の課題についての質問紙調査の実施とチェックリスト案の作成、の遂行をもって、(2)おおむね順調に進展している、と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、平成23年度に実施した予備調査(世代間交流事業主体施設を対象にした「交流事業の現状と課題に関する調査」)から作成した質問項目をもとに(1)予備調査・(2)本調査を実施し信頼性および妥当性が高い世代間交流事業評価チェックリストを作成し、(3)成功事例と失敗事例の抽出を行う。予備調査に関しては、世代間交流事業を実施している施設関係者および事業参加者100名余りを対象にする (研究責任者が理事を務める世代間交流協会の関係者)。本調査については、平成23年度に実施された予備調査で調査協力の了解を得た世代間交流事業を実施している施設(学校、児童館、デイケアセンターなど)の関係者70名余り、事業参加者200名余り、をそれぞれ対象にする。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究成果報告(2回) 150,000円質問紙調査配布・回収 150,000円調査協力者謝金 700,000円質問紙配布・回収のための往復切手代 200,000円研究成果報告会議費(2回) 100,000円
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