研究課題/領域番号 |
23650460
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
慶徳 民夫 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (00448622)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 住環境 / 健康 |
研究概要 |
平成23年度(研究計画1年目)は,6~8月の3ヶ月間で対象者選定のための目的を含む「在宅で暮らし続けるための住環境要因」調査を,対象地域(福島県須賀川市)内計10ヶ所において実施した.調査は市が関与する健康相談事業および健康教育事業の参加者に対して,自記式調査票を用いて実施し,その場で回収した.自記式調査票は,(1)健康状態を尋ねる設問,(2)縁側の有無や玄関以外の出入り口の有無等,居住する住宅に関する設問,(3)日ごろ生活している部屋やその時間等,生活形態を尋ねる設問,(4)現住宅に対する将来への居住希望,等計21の設問からなる.結果は,男性21名,女性121名の計142名から回答を得た.65歳以上の高齢者は85名(59.9%),64歳以下は57名(40.1%)であった.住宅に関しては,(1)縁側を有している者84名(60.0%),(2)玄関以外の出入り口を有している者123名(91.5%),(3)腰掛けて食事をしている者79名(56.4%),等であった.縁側の有無からみた現住宅に対する将来への居住希望が有る者は,縁側有りの者76名(92.7),縁側無しの者46名(82.1%).将来,移動に杖が必要となっても現住宅で暮らし続けられると答えた者は,縁側有りが74名(89.2%),縁側無しの者が43名(76.8%)であった.また,起居に介助が必要となっても現住宅で暮らし続けられると答えた者は,縁側有りが59名(73.8%),縁側無しの者が35名(62.5%)であった.さらに,65歳以上と64歳以下とでは,65歳以上の者の現住宅に対する将来への居住希望が有意に強かった(p<0.05).本調査は,対象の142名に対して,3年間の追跡調査を実施する予定である.同対象から選定した者(自宅への縁側設置に同意した者)への縁側設置は1件で,今後3ヶ月ごとに縁側設置後の生活状況について聞き取り調査を実施していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の調査対象予定地域(福島県須賀川市)が平成23年3月11日発生の東日本大震災により被災してしまった.ついては,調査のための縁側設置を依頼する予定の市内外のほとんどの工務店が市発注をはじめとした復旧工事請負で不眠不休の忙しさとなってしまい,本研究の縁側設置依頼(当初予定は5件)を受けてもらうことができない状況だったため.
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今後の研究の推進方策 |
工務店への震災復旧工事の影響はいまだに見受けられるが,前年度よりは研究依頼を受けてもらえる状況と思われるので,未着工となっている縁側設置(3~4件)を早急に進める.さらに対象者の選定も進めるが,研究期間の延長も検討する必要がある.
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)物品費:消耗品購入,(2)旅費:縁側設置対象者への約3ヶ月ごとの継続聞き取り訪問調査(計5~6件)・同調査結果の学会発表(日本公衆衛生学会総会),(3)謝金:調査結果のデータ入力,(4)その他:対象者宅への縁側設置(3~4件)・23年度実施の「在宅で暮らし続けるための住環境要因調査」の継続(2年目・郵送法による自記式調査・142名).
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