本研究の目的は,65歳以上の高齢者が居住する個人住宅に試行的に日本古来の縁側を設置することで,高齢者と地域(人)との社会的なつながりを促進させることとなり,ひいては健康的な在宅生活を持続させることに結びつく可能性を検証するものです.研究期間の3年間で,計5件の縁側を設置しました.設置後3~4ヶ月ごとに当該高齢者に対する聞き取り調査を行った結果,①縁側を介した外部空間との出入り行動が増える,②外部からの訪問が容易になる,③縁側における活動としては,訪問客への接客,洗濯物干し,読書等が増える,④居住者の日常生活活動には変化を及ぼさない,ということが推察されました.
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