研究課題/領域番号 |
23650468
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研究機関 | 中部学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
菊池 啓子 中部学院大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (70369528)
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研究分担者 |
大場 伸也 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (80221836)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 米粉 / 献立 / 生活習慣病 / 日本型食生活 / 国際情報交流(ベトナム) |
研究概要 |
平成23年度は、ベトナムにおける米粉の利用状況を把握するため、現地調査を実施した。現地では南部ホーチミンシティ・北部ハノイ入りし、米粉加工食品の種類の市場調査、米粉食品製造工場を訪問し製造方法・製造工程の理解を深めた。また、米粉麺料理(フォー)に含まれる食材の具体的なデータ収集を行った。1)麺の種類・量、2)野菜の種類・量、3)動物性蛋白質の種類・量、4)ハーブの種類・量、5)汁の種類・量ほか汁に含まれる1)グルタミン酸含有量、2)塩分、3)油(脂)を測定した。また、価格調査も同時に実施し、米粉麺の内容と価格の分析を行った。その結果、日本における米粉の利用方法とは異なるいくつかの利用方法とそれらの共通点が明らかになり、今後、日本の米粉利用に生かすことが出来る食品や献立を見つけ出すことができた。 また、ベトナム人の生活における米粉の役割や食事の位置づけ、生活習慣などの傾向が理解できた。 日本における米粉食品を用いた献立に関しては文献調査を中心に実施したが、従来の利用方法で米粉を利用している企業が多く、目新しい取り組みを実施している企業は多くは見られなかった。しかし、岐阜県にあるレイク・ルイーズは米粉を米麺にし利用していることが明らかになった。ただしベトナムのように種類が豊富ではなく生麺のみであり限られた種類の製造であったため、ここにベトナムで使用しているような干麺等の利用方法を導入していく事が必要であり、日本での米粉利用の発展に生かすことが出来ると示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度は日本の米粉食品の開発動向を文献検索し、米粉文化の比較検討を行うことができた。また、具体的には米粉麺料理に含まれる栄養価を算出する手がかりとなるための調査を実施することができた。 RCフレックスを使って米粉麺の汁に含まれるグルタミン酸量および塩分を測定した。 ベトナムの米粉文化を理解するとともに生活習慣病との関連を考える時、食品中に含まれる塩分量は重要な問題であり、これに関してはデータを採取することができ、分析を行う段階まで進んでいる。また、米粉麺の汁に含まれる油(脂)の量を測定するためには一定の基準をもうけ、その指標を元に比較検討しなければいけないため、独自の指標をもうけ油(脂)量を暫定的に測定することも実施することができた。しかし、その他の栄養素に関しては米粉麺に含まれる野菜やハーブ、麺の量の測定がメインになってしまったため栄養価の分析まで進んでいないため、栄養価計算を行うところまで進めていかなければならないと考えている。 平成23年度の調査は米粉麺を中心に調査を実施したため、その他の米粉食品や調理は多くのモデルを見ることができなかった。米粉食品とその他の食品との組み合わせ調査は調査日程の調整がつかず、南部ホーチミンシティと北部ハノイのみの調査になってしまった。調査期間が長く取れなかったため、中部フエ・ダナン周辺へは入ることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度はハノイ工科大学のトラン・リ・エンハとともにベトナム人学生の体型調査を実施するためハノイ入りする予定である。そして、その結果を本学の学生と比較し食事との関係を明らかにする。 また、共同研究者の大場が米粉食品の製法と製造コストの評価を行うため、現地入りする予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費はハノイ工科大学と中部フエ・ダナンの市場調査を実施するために使用する。同様に共同研究者の大場は米粉食品の製法と製造コストの評価を行うため、現地入りする予定でである。 また、物品費では栄養価ソフトの購入を予定している。 これらの計画を実施するためにはアルバイトを雇うことがあるため、その謝金を支払うことになる。
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