軽水と重水のコントラストを活用した中性子非弾性散乱法により、食品タンパク質の水和水ダイナミクスを調べた。その結果、水分活性値は水和水のダイナミクスや水和構造と相関があることが分かった。また食品の食感とも関わるタンパク質のガラス転移は、水和水ネットワークの形成度合いと相関があることが分かった。これらの結果から、食品の保存性や食感は、食品に含まれる水の水和構造や水和水ダイナミクスと密接に関係することを示した。また中性子非弾性散乱実験法が水和やガラス転移に関連した食品分析の新たな分析手法として有効であることを示した。
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