本研究では,食品機能成分による新規大腸がん抑制遺伝子の機能制御に関する知見を得ることを目指したが,細胞培養環境の差異からか,既報の化合物を用いてもヒト大腸がん由来培養細胞におけるSLC5A8の発現活性化現象が確認できなかった。研究が当初計画どおりに進まなかったため,サブ試験として,大腸がん患者から得られた腫瘍組織を活用した新規抗がん剤感受性応答因子の探索を行った。現在のところ,評価を実施できた大腸がん摘出組織は3検体であり,全例において大腸がん治療のkey drugである5-FUについて高い陽性率が得られたが,症例数が少ないこともあり,バイオマーカー候補に関する明確な結果は得られていない。
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