研究課題/領域番号 |
23650471
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
池田 郁男 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40136544)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | どか食い / 肥満 / 脂質代謝 / 食習慣 |
研究概要 |
生体ガス質量分析装置に接続した摂餌制限機能付摂餌量測定装置の設計、製作、改良と調整 摂餌制限機能付摂餌量測定装置を新たに設計した。業者に製作を依頼し、既存の生体ガス質量分析計に接続することで、一日あたりの摂餌回数を自由に変更でき、経時的に摂餌量を測定しながら、エネルギー代謝を測定できる仕様とした。試作装置が出来上がったが、飼育ケージ部分にいくつかの問題点が見つかり、改良を依頼した。改良後、予備的にラットを飼育し、装置が正常に作動し、エネルギー代謝測定が可能かどうかの検証を行った。しかし、飼育ケージ部分に更に問題が発生したため、再び、製作業者に改良を依頼した。改良後、予備的にラットを用いてエネルギー代謝測定を行ったところ、正常に行うことができると判断された。ラットの飼育条件の設定 その後、同一摂食量で摂食回数を変えてラットを飼育するためには、どのような摂食条件が最適かを予備的に調べることとした。まず、ラットを用い、自由摂食させたとき、どの時間帯で摂食しているかを検証した。その結果、固体ごこにかなりまちまちであるが、主に、消灯直後と点灯前に摂食しており、昼間も時折摂食することが明らかとなった。この結果を踏まえ、まず、1回/日と6回/日の摂食回数で、同量の摂食量に設定し、ラットを用いて試験を行った。しかし、1回/日では十分に摂食できないことが明らかとなった。今後更に、2あるいは3回/日での試験を行い、最適の摂食パターンを明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
装置の改良に時間がかかったため、動物試験への着手が遅れた。また、最適な摂食条件の設定を行うための予備試験を行っているが、更なる試験が必要と考えられるため、本試験に入るに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
最適な食餌条件の設定を行うため、ラットを用いて、食餌回数を変えて予備試験を行う。その後本試験に入るが、現時点では食餌回数を、摂食量は同一で一日あたり2回および6回に設定する予定であり、ラットを4週間飼育し、最終摂食終了時から1時間以内に屠殺する。肝臓、筋肉、脂肪組織を取り出し、重量を測定し、特に内臓脂肪重量が減少しているかを調べる。これら臓器組織のエネルギー代謝関連酵素である脂肪酸生合成系およびβ酸化系酵素の活性、mRNA発現量、たんぱく質発現量を測定する。このような測定を行うことで、どのようなエネルギー代謝関連酵素等のパラメータが摂食回数の違いによるエネルギー代謝の変動を反映するかを検証する。なお、明確な結果が得られない場合は、高脂肪食や高炭水化物食などで同様の検討を行う。更に、肝臓を用いてin vitroで放射性酢酸からの脂肪酸生合成および放射性オレイン酸からの脂肪酸β酸化活性を測定し、実際の脂肪酸生合成やβ酸化能力の検証を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度に残った次年度使用金額は、遅れている予備試験のための、ラットおよび食餌の購入に使用する。次年度は、ラットを用いて本飼育試験を行うため、ラットおよび食餌の購入を行う。これら試験のための分析用試薬および分析用器具および、脂肪酸生合成および脂肪酸β酸化活性を測るため、放射性酢酸および放射性オレイン酸の購入を計画している。
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