研究課題/領域番号 |
23650472
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
大森 桂 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (50344784)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 身体活動量 / 乳幼児 / 二重標識水 |
研究概要 |
本研究の目的は、二重標識水法を用い、測定が非常に困難な乳幼児を対象に、エネルギー消費量を縦断的に測定し、乳幼児期におけるエネルギー消費量の実態および発達的変化を明らかにすることである。さらに、3次元加速度を同時測定し、高額な二重標識水法によらずに、3次元加速度計により簡便かつ精度よく乳幼児のエネルギー消費量を推定する方法を開発する。3年の研究期間において、被験者の負担を考慮し、高額な二重標識水法による総エネルギー消費量の測定は年に1または2回行い、同時に3次元加速度も測定する。他の時期には、フード法による基礎代謝量の測定および3次元加速度の測定のみを行い、推定式作成のための実測データを蓄積する。 挑戦的萌芽研究としての初年度は、8月から11月にかけて幼児3名を対象に二重標識水法により、1週間のエネルギー消費量の実測を行った。同時に、腰部の3次元加速度および歩数についても1週間の実測を行った。幼児の基礎代謝量についてはさらに、フード法により約3ヶ月ごとに縦断的に測定を行った。二重標識水法において採取した尿サンプルは、国立健康・栄養研究所において現在分析を行っている。日本人の乳幼児を対象に、二重標識水法によるエネルギー消費量の実測および3次元加速度および基礎代謝量を実測した先行研究は非常に少ない。今回の実測データについて集計を進め、幼児の日常生活における1日の加速度および歩数の分布や個人内差等について解析を行った。その結果、いずれの対象者も平日よりも休日の方が活動量の高い様子が見られた。さらに、3次元加速度については、合成加速度の他に、3軸別に加速度の特徴を分析することも検討している。基礎代謝量については、日本人の食事摂取基準等の文献値との比較検討を行った。乳幼児期における基礎代謝量の発達的変化については、引き続きデータを蓄積し、解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
挑戦的萌芽研究として初年度は、幼児を対象に二重標識水法によるエネルギー消費量および3次元加速度の測定を行い、実測データを収集することができた。同時に、具体的な測定の条件や手順、測定環境の整備ができた。フード法による基礎代謝量の測定も継続的に実施することができ、幼児の基礎代謝量の発達的変化の解析を始めることができた。しかし、震災の影響等もあり、予想以上に被験者の確保が難航し、十分なサンプル数を得ることが難しかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の測定協力者に加え、知人や附属幼稚園等を介してさらなる被験者の確保に努める。被験者の確保が順調に進まない場合には、同一個人内で二重標識水法の測定回数を増やす等の可能性についても検討する。また、昨年度の測定において、フードや加速度計等の装置が気になり、長時間の測定が困難な幼児もいた。そこで、新たに開発されたより軽量な加速度計やダグラスバック等別の機種も試用し、乳幼児期における身体活動量の適切な測定方法の検討に重点をおくなど、研究の方向性を多少柔軟にしつつ研究を推進する。初年度はデータ蓄積のため発表ができなかったが、次年度以降、学会等で発表できるよう準備を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
新たな被験者を確保し、測定した場合の試薬類等の消耗品費および謝礼を支出する。被験者の月齢に応じて必要となる身長計等の備品を購入する。新たに開発された軽量な加速度計やダグラスバック等の購入を検討する。新しい加速度計については、使用方法等について詳しく説明を受ける必要があり、研究打ち合わせのための旅費を支出する。測定のための補助員雇い上げ費を支出する。蓄積したデータをまとめ、学会等で発表するための費用を支出する。
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