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2011 年度 実施状況報告書

疾患特異的な腸管栄養素センシング機構の解明と特殊栄養食品の開発基盤の確立

研究課題

研究課題/領域番号 23650482
研究機関徳島大学

研究代表者

山本 浩範  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60314861)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード栄養素センシング / 生活習慣病 / 特殊栄養食品 / 腸管遺伝子 / トランスクリプトーム
研究概要

本研究では、疾患特異的な腸管栄養素センシング機構の解明と特殊栄養食品の開発基盤の確立を目的とし、腎不全時の腸管変動遺伝子の網羅的解析による統合的データベースの構築、疾病予防または治療の標的となる疾患特異的な栄養素センサー遺伝子群の同定を試みている。1)生活習慣病モデルにおけるメタボロミクス解析および腸管栄養素センサーの同定として、平成23年度は、腎不全、糖尿病モデルにおける腸管遺伝子データベースを構築した。論文報告に従い、アデニン誘導性腎不全モデルおよび5/6腎摘出腎不全モデル、糖尿病のラットを作成し、正常および疾患動物の腸管粘膜組織より全RNAを抽出し、本学の総合支援研究センターの協力を得てDNAマイクロチップ(Affymetrix社)を用いトランスクリプトーム解析を行った。さらにパスウエイ解析、Gene Ontology解析を行い栄養代謝に重要な変動遺伝子群を同定した。腎不全ラットの腸管にいては、鉄や亜鉛、ビタミンCの吸収や代謝に関連する遺伝子が同定され、それら遺伝子が、疾患時に著しく低下することを確認した。また、糞中のミネラルを測定した結果、亜鉛および鉄の排泄量が有意に増加したことから、腎性貧血の原因には、エリスロポエチンの低下だけでなく、鉄および亜鉛吸収率の低下も原因と考えられた。さらに、糖尿病モデルにおいては、腎臓でのビタミンD異化酵素CYP24遺伝子の発現亢進により、血中活性型ビタミンD濃度の低下が生じるため、腸管カルシウム吸収関連遺伝子のTRPV6が低下することを見出した。実際、糖尿病群においては、血中カルシウム濃度の低下が観察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度、腎不全および糖尿病のモデル動物を用いて腸管変動遺伝子の網羅的解析を行い、データベースの構築を行った。その成果として、ミネラルやビタミンの吸収や代謝に関連する遺伝子群が見出されたため、これら遺伝子の発現を指標とした栄養療法の試験を予定している。

今後の研究の推進方策

今後の研究の推進方策としては、生活習慣病モデルの腸管において変動する遺伝子群のデータベースをもとに、リンやカルシウムのミネラルバランス、また、ビタミンDの摂取、抗酸化作用を有するフラボノイド摂取による影響を観察する。

次年度の研究費の使用計画

物品支払いの遅れが理由で、繰越金(130,221円)が生じた。次年度の研究費の使用計画としては、昨年度からの繰越金と次年度の物品費を合わせ、初年度と同様、疾患モデル動物の作成に必要な動物、飼料および遺伝子発現解析に必要な分子生物学研究試薬の購入を予定している。また、学会での成果発表を予定しているため、旅費10万円を計上している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リン制限食による腎性貧血の改善効果

    • 著者名/発表者名
      中尾真理
    • 学会等名
      第15回日本病態栄養学会年次学術集会
    • 発表場所
      国際会館(京都府)
    • 年月日
      平成24年1月14-15日

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公開日: 2013-07-10  

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