消化・吸収能力の個人差のため、同じ食品を摂取しても身体に取り込まれるエネルギーには差が生じる。この個人差を簡便に測定するための人工消化基質の作成を試みた。この人工消化基質は、人体に無害であり、消化管の中で適度に消化され、またその消化度がエネルギー吸収効率と比例する必要がある。本研究ではホエイタンパクを改変したものに塩と油脂を添加、加熱する事で種々の消化度を示す消化基質を作成する事に成功した。ラットの消化管内での消化過程を確認した後、人における消化度を測定した。消化度を変えた3種類の消化基質を試したところ、そのうち一種類の消化基質が、熱量計で測定したエネルギー吸収効率と高い比例関係を示した。
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