研究概要 |
本研究は,新たな高大接続のあり方を検討するにあたって,「文系」「理系」という知の分類(あるいは枠組み)を見直す必要があるという問題意識にたち,この「文/理」が「分離」した状態を超えるために,日本社会における「文系」「理系」の二分法の生成過程(a. 教育課程調査)を探り,その背後にあると予測される意識の実態(b. 社会意識調査)との関係を明らかにすることを目的としている. a.については,高校の学習指導要領改訂が理数系強化を目して前倒しで実施されたことから,「理系」重視のカリキュラムにシフトしたと判断し,その変化を捉えるために計画時よりWEB調査を充実させた.具体的には,『全国学校総覧』に掲載されている高等学校および中等教育学校5251校から10分の1をサンプリングして,H23年度とH24年度の教育課程表を収集し,統一フォーマットに変換して全教科・科目の単位や選択範囲を把握した. b.については,朝日新聞記事データベース『聞蔵IIビジュアル』を用いて,戦後の「理系」「理型」「理科系」「理工系」「理数系」,および,「文系」「文型」「文科系」「文化系」などの語を検索,整理した. これらの調査の分析結果を高大接続と関連付けた考察する際の参考にするため,公立高校の理科教員と大学の工学部教員に対してインタビュー調査を実施した.
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