研究課題/領域番号 |
23650499
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
東崎 健一 千葉大学, 教育学部, 教授 (30102031)
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研究分担者 |
飯塚 正明 千葉大学, 教育学部, 教授 (40396669)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | PDL / アウトリーチ活動 / 初等・中等教育 / 教養教育 / 実習教材開発 / 遺伝子工学 / 生命科学 / 理数教育 |
研究概要 |
千葉大学では理数教育に力を入れており特に教養教育において文系・理系の様々なレベルの学生を対象に授業展開する中でパーソナルディスクラボ(PDL)開発を進め、これを活用することで教育の質の向上を試みてきた。目的:近年の生命科学の進歩は急速であり、それに伴い学習内容も膨大となってきている。このため生命科学分野においても体験型の授業の展開が望まれる。このような学習を可能にするためのPDLの開発を行うこととした。また開発した教材を用いて中・高校生を対象とした講座を実施したので、その成果を報告する。結果:今回開発、実施した生命科学系PDLは、大きく分けて3種類あり、A)DNA(核酸)の解析システム、B)タンパク質の解析システム、C)糖質の解析システムである。A)DNAの解析システム:DNAの制限酵素による切断は遺伝子工学の基礎となるものであり、生命科学におけるさまざまな遺伝子操作技術を理解する上で必須の知識である。遺伝子工学の基礎を体験し、理解するPDL教材を開発し、実施した。B)タンパク質の解析システム タンパク質は生命現象の基本となる物質であり、生化学反応を理解する上で必須である。したがって、タンパク質を分子量により分離する解析方法(SDS-PAGE解析)とタンパク質を酵素抗体法によって同定する解析方法(Western Blot解析)のPDLを開発・実施した。C)糖質の解析システム デンプンの酵素消化:デンプンをヨウ素を用いて染める実験は古くからおこなわれているものであるが、今回これを酵素消化と組み合わせ、さらに吸光度計を用いた測定を行うことで、デンプンの構造と消化のしくみについてより高度な理解を可能とするPDL教材として開発・実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究者および協力者らとともに新規生命科学解析方法理解促進用PDLシステム3系統の開発に成功した 。また、このPDLの使用マニュアルの作成、TAの育成などを行った。これらを用いて協力者とともにサイエンススタジオCHIAにおいて講座を実施した。現在、使用にあたっての課題の解析を行っており、結果のフィードバックも進行中である。受講生の評価は高く、この受講を通して科学に対する興味がかき立てられた、理解が進んだとの感想が得られた。これらの成果より当初の計画通り研究が進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのノウハウに基づき当初の計画通り、光と電気のしくみを中高校生に分かりやすく伝えるための新規PDL開発を目指す。また、それを使用し、学習するためのテキストおよび使用マニュアルな作成を行う。TA養成を行いサイエンススタジオCHIBAにおいて協力者とともに講座を実施する。このとき使用方法、効果に関するデータを収集し、解析する。この結果をフィードバックし、PDL及びその使用方法をブラッシュアップする。
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次年度の研究費の使用計画 |
PDL開発のための消耗品購入を行う。特にH23年度の成果を生かす形となるようこの発展形を考慮した開発を行う。また、講座開発のためにTA雇用を行い、開発したPDLの教材化と実施プログラム作成およびデータ収集を行う。
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