研究課題/領域番号 |
23650506
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福井 康雄 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30135298)
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研究分担者 |
齋藤 芳子 名古屋大学, 高等教育研究センター, 助教 (90344077)
鳥居 和史 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (20444383)
早川 貴敬 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (00413964)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 科学と社会・文化 / 広報誌 / サイエンス・ライティング / 科学コミュニケーション |
研究概要 |
研究組織内で、広報誌を取り巻く背景・環境、広報誌自体の全体像、記事ごとの意図や検討すべき事項をあげて課題を整理した。名古屋大学理学部広報誌「理 philosophia」1号から19号までのアンケートはがきの内容、学生に対するアンケートの回答の内容を分析し、読者層を特徴づけ、記事毎および全体像について編集意図とのズレや課題を把握した。記事の形態別(座談会、対談、講演記録、執筆記録、過去の研究を紹介する「時を語るもの」)に問題点・課題を抽出し、改善すべき点、ガイドラインを整理した。若手研究者を主対象に各種要素を実践的に習得してもらう目的で、広報誌制作教室を開講した。研究代表者福井、戸田山和久氏(名古屋大学情報科学研究科教授)、久野高義氏(株式会社コミュニケ)、小川明生氏(株式会社ティ・エム・シー)がそれぞれ、広報誌の企画立案、文章術、編集術、デザイン術について講義を行った。参加者23人に対してアンケート調査を行った。以上の成果を広報誌制作教室ハンドブックにまとめる準備を進め、ウェブ上に整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初研究計画に基づき、大変順調に研究計画が遂行されている。研究組織内で、広報誌を取り巻く背景・環境、広報誌自体の全体像、記事ごとの意図や検討すべき事項をあげて課題の整理をおこない、これまでの広報誌にたいする読者アンケートの再読、整理から今後検討すべき課題やポイントを把握した。また、研究自体の認知度を高め、広く識者と受け手の意見を聴取するための研究打合せ会議としてのキックオフワークショップを開催し、それを土台に、若手研究者対象に広報誌制作手法の各種要素を実践的に講習、講義するための広報誌制作教室を開催し、開催後に談話会を催し、双方の意見交換を効果的に行うことができた。また、その他研究概要に記載したように、順調に計画が遂行されたことにより、次年度での大きな成果につながると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度の成果をもとに、広報誌制作教室ハンドブックの完成を目指して、コンテンツの整理、洗練を図る。具体的には、以下の項目を実施する。 (1) 学術広報誌編集委員の経験者を集め、改善の過程で蓄積されたノウハウ、実践者の視点から見た学術広報誌の課題等について、聞き取り調査を行う。5月から6月頃の開催を予定している。(2) 広報誌制作教室1回目の改良点について検証し、2回目を開催する。開催時期は9月を予定しており、既に講師の人選、交渉を始めている。(3) 他機関における実践例を収集し、経験の咀嚼と共有化を図る。国内の大学・研究機関だけでなく、海外の事例も視野に入れる(具体的には、オクスフォード大学等の事例を調査する予定である)。(4) 研究成果をとりまとめ、ウェブ他に掲載して、研究成果を広く研究機関他に公開する。(5) サイエンスアゴラなど、科学コミュニケーションをテーマとした国内外の催し、会議等に出展、参加して成果を発信し、他の参加者の反応評価を確認してさらに洗練修正を行う。(6)研究機関向け広報誌制作ハンドブック(一部、一般向け内容含む)の原稿を執筆し、上梓する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画よりも効率的な開催方法をとれたことにより会議費を少なく押さえることができた事と、ウェブの作成を研究組織内で行って経費を削減することができたため、次年度への下記支出に対してより有効に支出することが可能になった。次年度の研究費の主な用途は、(1)広報誌制作教室・シンポジウムのための会議費、(2)成果発信のためのウェブの更新費用、(3)広報誌制作教室ハンドブックの出版準備に関する経費、(4)国内外の会議等への参加登録費・旅費・資材等送料、である。教室・シンポジウムの開催のための会議費で、案内ポスターの制作印刷費・送料、資料等を印刷するための消耗品(用紙、トナー)と、講師及び参加者の旅費を賄う。また、資料の準備・整理に必要な支援員を謝金で雇用する。広報誌制作教室ハンドブックの出版は、ホームページに掲載したコンテンツや、講義録を元に、ライターとデザイナーの助力を得て、分かりやすく編集し、成果をまとめる。謝金で雇用する支援員が資料の整理を行い、それをもとに、ライター、デザイナーに編集のブラッシュアップを依頼し、この経費を謝金で支出する。
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