研究課題/領域番号 |
23650514
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
岩本 直樹 香川大学, 工学部, 教授 (20325327)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 物理学 / 中世文学 / 理科教育 / 天文学、気象学 / 歴史学、暦学 / 国際情報交流 アメリカ合州国 |
研究概要 |
(1)文献そのほかの基本データ収集および問題設定:屋島の合戦に関する記述のある玉葉、吾妻鏡、平家物語(覚一本、延慶本、四分本などの諸本)、源平盛衰記などの文献データの収集、比較を行い、従来からある解釈を整理しまとめた。もともと平家物語は琵琶法師による語りで伝えられたので語りに関する資料も収集した。一方、日本の古典は欧米において国内にも勝るとも劣らない研究がなされてきている。そこで米国トレド大学図書館において平家物語の英訳本の調査を行い、原文との比較を行った。これらの比較研究を通じて検証可能な問題設定を行った。(2)実地調査:史跡(祈り岩、駒立ての岩、屋島)の位置関係をはじめ様々な測定、データ収集を行った。また栃木県の歴史研究会と連絡を取り那須与一に関する情報提供の依頼を行った。(3)理論計算・シミュレーション:日時、太陽の位置などに関して、最初に理論計算に使うパラメターを決定した。さらに香川大学弓道部員の協力を得て弓矢の基本パラメターの測定を始めた。まず放たれた矢の速度、弓の弦の張力、矢の質量との関係を調べることに着手した。さらに矢の飛行に関して横風の影響について検討を行った。矢の飛行を円柱形の物体の運動と考えればロケットなどの飛翔体の運動と共通点が多い。そこで米国トレド大学において専門家と議論した結果、アメリカ航空宇宙局の飛翔体実験施設で情報収集を行うよう助言を受けた。(4)これまでの研究成果の発表:理科系のものの考え方を普及させるということが本研究の目的の一つであるので、一般向けの講演を2回行った。さらに、米国における日本文学研究者との将来における本研究の成果発表および議論を通じた交流を目的に、米国ミシガン大学の日本語研究センターを訪問した。このことによって先述した平家物語の英訳本の調査とともに、日本の古典に関する本研究を国際的な視野で推進する基礎を固めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した「平成23年度の研究実施計画」はほぼ予定通りに達成され、本研究は「研究の目的」にそって進行している。
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今後の研究の推進方策 |
ます太陽運動のシミュレーションを行い、平家物語の記述との整合性を吟味する。次に、矢が的を射る命中率を算定し、距離の単位「段」の2つの説のうちどちらが妥当であるかを検討する。そして、継続して矢の飛行に関する横風の影響を調べるとともに、船の縦と横のゆれに関して、波と風の影響を評価する。 一方、現地調査の継続として、屋島の合戦にいたる経路(大阪、徳島、香川)について実際にたどってみる予定である。また、栃木県の歴史研究会を訪問し那須与一に関する情報提供を受ける予定である。さらに、米国ミシガン大学日本語研究センターで成果発表を行う予定であり、同センターで論文出版の可能性も検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
申請書に記載したとおりに使用する予定である。
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