研究課題
本研究の目的は様々な実験実習(以下実験と略す)においての目的の明確化とそれを達成するための手法に焦点を当て、学生に必須の経験の蓄積や能力の涵養に資する、それでいて指導側の過度の負担のない継続可能かつ様々な分野に応用可能なハード/ソフト両面にわたる実験の指導方法及び評価手法の検討及び実践である。現在、実験における評価手法、即ち、学生のデーター等の取扱い等のテクニカルな側面や思考プロセスやアプローチの確認作業及び指導/評価は、主として実験レポートが主流であり、実験の原点である『実験ノート』の指導と評価はまでは手が回っていないのが現状と推察される。本研究ではまず各分担者所管の科目において問題点の抽出を行い、いろいろなアプローチからの実践を行った。またその際、学生側および教員側双方においてIT機器の利用やITシステムの試用も試みた。その結果、低学年等の初期の段階においては必ずしもIT機器の利用は効果的ではなく、その恩恵を受けるためにはまずその土台として、地道なノートの指導とそれを受けての学生側の地道な努力等が必要であることが分かった。また有効なノート作成のためにはそれに応じたノートフォーマットの検討や実験環境の整備等の必要性も実感された。次に実験の実態や問題点の調査のため、九州沖縄地区の全高専の全実験実習科目担当教員にアンケートを実施した。その結果教員サイドにおいてもノート指導の重要性を認識している割合が意外にも少なく、その結果ノート指導に注力している試みは少数派であることが分かった。一方特色のある試みも散見され、また情報共有の申し出もあった。昨今、社会において実験ノートの指導の重要性が緊急性を伴って叫ばれ、再び脚光を浴びている。本研究での知見を内外に広く公開し、理科/技術教育の基盤確立の一助となるよう今後も分析/研究/実践を行うと同時に広くノウハウの共有/集約化を目指す。
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