研究課題/領域番号 |
23650524
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山田 邦雅 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任准教授 (30399802)
|
研究分担者 |
細川 敏幸 北海道大学, 高等教育推進機構, 教授 (00157025)
西森 敏之 北海道大学, 高等教育推進機構, 特任教授 (50004487)
安藤 厚 北海道大学, 高等教育推進機構, 研究員 (20012510)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | デジタルペン / クリッカー |
研究概要 |
まず昨年までに試作していた手書き情報をリアルタイムで記録するソフトウエアの基本的な機能を動作確認しながらプログラムの整理・修正を行った。具体的には、解答用紙に印字された1~10の部分へのペン先のタッチによる選択肢の選択機能、その選択の投票数のグラフ表示機能、情報収集の〆切時間を知らせるカウントダウン表示機能、現在の総投票数を表示するレスポンスカウンター等の機能をもつアプリケーションを作成した。これにより、7本以内のペンによる動作確認を行うことができるようになったため、実際の授業で使用する場合のシミュレーション的検証が行えるレベルとなった。 色々な分野での使用に対応するため、複数の解答用紙フォーマットをダイアログボックスで選択できる機能を搭載した。解答が、図が中心になる場合、数式・文字解答が中心になる場合、そして、その中間的な使い方の場合の3つのフォーマットを用意し、ソフトウエアの立ち上げ時に選択できるようにした。これにより、試用することができる分野の幅が広がり、多くの人にプロトタイプ版を使ってもらえることが期待できる。 まずは、全学生の回答を見渡せるようにするため、小さな画像として回答を一覧表示する機能を付けた。そして、任意の画像をクリックすることで、その1つを全画面表示し、特定の回答を高画質表示する機能を付けた。これにより、教員は教育的に注目すべき解答を素早く見つけ出すことができ、また、今まで見ることができなかった記述プロセスをリアルタイムで観覧することができるため、教育学的な研究素材となる情報を収集できるソフトウエアになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画では、Bluetooth は規格として受信機1つに7つまでしか機器を接続できないという問題についての対応策として、Bluetooth LANアクセスポイントを使用し、多人数に対するソフトウエアの動作・使用可能距離をチェックしてゆく予定であった。しかし、アクセスポイントのメーカーによるデジタルペン用のファームウエアの開発が遅れており、まだリリースされたというお知らせが来ていない。これにより、8本以上のペンによるソフトウエアの使用に関する検証は来年に持ち越されている。
|
今後の研究の推進方策 |
回答データの個人識別を可能にするための学生登録を、Excelリストの読み込みで行うことができるようにする。また、回答データの書き出しについては、手書きによる画像がExcelのセルに入った形での出力を予定している。また、画像が入る列の隣には、自動文字認識したテキストが並ぶようにする。 教員はリアルタイムで学生が描画してゆく様子を観覧できる一方、学生側の画面では、学生が他の意見に影響されないように、途中で他の回答は見えないようにする。これはプログラムとしては、教員側としてノートパソコンの画面に映し出されるForm1と、学生側としてプロジェクタ側に映し出される全画面表示専用のForm2を作成することになる。また、クイズが誰でも簡単に作れるように、クイズ作成ウイザード機能を付ける。 Bluetooth LANアクセスポイントを介した場合の、多人数に対するソフトウエアの動作・使用可能距離をチェックしてゆく。 本学で、従来のクリッカーを精力的に利用している教員方に試用を呼びかける。また、ペンごと貸出しができるような近隣大学における試用教員を募集する。また、高等教育の研究をとおして本学と親交が深い海外の大学、においての試用希望も募集する。試用してもらった教員から、分野独特の使用法、ソフトウエア的な機能の要望、使いにくい点、バグについてのアンケートとヒヤリングを行い、汎用性がある意見をピックアップしてソフトウエアに適用してゆく。 北海道大学高等教育開発研究部門Webページにおいてソフトウエアを一般公開し、ダウンロード・試用できるようにする。また、簡単な導入・試用マニュアルの作成・公開を行う。
|
次年度の研究費の使用計画 |
・平成23年度に実施したペン型クリッカーを使用するリアルタイム添削授業の構成のための参考書籍・文房具の支出に使用する。・8本以上のデジタルペンを対応させた場合のテストに向けて、大容量メモリを搭載したパソコンを購入。・プログラミング、Bluetooth、そしてリアルタイム添削授業の構成のための教育に関する書籍を購入。・作成ソフトウエアのプロトタイプ版の特徴と試用結果に関する学会発表を行うための旅費。・プログラム要員としての短期支援員の人件費。その他、パソコン、プリンタ、送料等。
|