研究概要 |
初年度に開発した「疑似電子テキストの閲覧ページログ収集システム」を用い、2年度には実授業で収集したログデータを分析した。今年度は、教師と個別学習者との閲覧ページの遷移をグラフ化して検討した結果、各学習者の学習スタイルが可視化できることが分かった。学習スタイルの例としては「教師とは異なるページを頻繁に参照する」、「最初はページ送りしなかったが後半は忠実に教師と同じページを閲覧する」等があった。本結果をHCI (Human Computer Interaction) International 2014 (2014/6/22-24, Crete, Greek)で招待発表することが決定した。本研究の重要な課題であった、電子教科書時代の学習行動データ収集および分析の方法論を確立することができた。 このシステムをベースにして、昨年度に発表した「小テストの繰返し実施と小論文を含む試験結果との関連」や「電子教科書・電子ノート活用における性格因子の影響」、「電子ノート時代の簡便な記述促進策とその評価」、「Simple Measures to Encourage More Note-Taking in the Era of Electronic Notebooks and Their Evaluations」などを組合せることによって、当初の目的であった「電子教科書・電子ノートの活用を想定したリアルタイム授業改善」の見通しが立った。本年度は「デジタル教科書時代の事前テスト・自宅テストと期末テストの関連」、さらに「Measures to Promote Practice of Quiz and Evaluation Thereof Blended-Learning」等を発表・投稿した。 今後、「問題解決型サービス科学研究」として本研究結果を一層発展させていくことが決定している。
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