同期型遠隔教育において,コミュニケーション情報の量・質の低下が原因で,指導者が十分な学習者情報を取得できずに授業を進めてしまい,効果的な介入を行うことが出来ず,学習者の満足感や学習効果を下げてしまうという問題が起きている.そこで本研究では,同期型遠隔教育に対する熟達度によらず,学習者への効果的な介入を行うのに十分な学習者情報を提供する同期型遠隔教育システムを開発した. システムは(1)学習者の内的状態推定アルゴリズム,(2)学習者状態のARによる可視化,の2つのサブシステムで構成した.学習者の内的状態推定アルゴリズムの開発においては,人の頭部位置から学習状態を推定する方法を開発し,一定の精度で学習状態を推定できることを確認した.また,学習者状態のARによる可視化においては,ARを用いることで,学習者状態の把握をより容易にできることを確認した. 結果として,同期型遠隔教育において,学習者状態をARを用いて可視化して提示することにより,教員による学習者状態の把握を支援できることを確認した.
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