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2011 年度 実施状況報告書

コミュニティ知の持続的進化・継承を図るオンラインコミュニティ支援環境

研究課題

研究課題/領域番号 23650531
研究機関電気通信大学

研究代表者

柏原 昭博  電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (10243263)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード教育工学 / コミュニティ知 / SNS / 進化・継承支援 / 真正な研究活動
研究概要

大学などにおける研究コミュニティでの真正な研究活動に必要な知識やスキル(コミュニティ知)の進化・継承を図るWeb上のオンラインコミュニティ支援環境を開発することを目的として、平成23年度はコミュニティ知の持続的進化・継承モデルを構築するとともに、モデルに基づいてコミュニティ知の共有・適用・洗練および学習を支援する手法を開発した。具体的には、次の(1)~(3)を行った。(1)コミュニティ知の持続的進化・継承モデルの構築:真正な研究活動から得られる様々な経験則をblogエントリとして表現・投稿し、コミュニティメンバ間で共有するSNSシステムHyperblogをベースとして、blogエントリを介してコミュニティ知の進化・継承を図るモデルを構築した。(2)研究ログの共有・適用・洗練の支援:Hyperblogシステムにおけるblogエントリに対して、コミュニティ知が関係する研究アクティビティ、研究トピック、ユーザ定義によるタグからなるメタデータを付与することでblogエントリを適切に構造化する手法を開発した。さらに、メンバ個人内および個人間で関連するblogエントリを可視化して共有を促進する手法を開発した。また、研究ログから適用すべき研究活動文脈や適用タイミングに関する情報を提示することで研究ログの適用を支援するとともに、適用後研究ログの洗練が必要な場合にはblogエントリ修正の場を提供する手法を開発した。(3)研究ログ推薦による学習支援:コミュニティ知の学びあいを支援するために、個々のコミュニティメンバに関連度の高い研究ログやコミュニティ内で重要度の高い研究ログを推定するメカニズムを開発した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Hyperblogシステムをベースとしたコミュニティ知の持続的進化(共有・適用・洗練・学びあい)支援手法の開発は順調に進展してきた。一方、コミュニティ知の継承支援については、持続的進化支援とは別に開発する予定であったが、Hyperbologシステムに蓄積されたblogエントリを共有・再利用する文脈からコミュニティ知の継承に有用な情報が得られるという知見を得たことから、継承支援はコミュニティ知の持続的進化プロセスにおいて実施することが妥当であると判断した。つまり、コミュニティ知の継承支援を独立して実施するメカニズムを開発するのではなく、持続的進化支援の中で継承支援を行えば問題ないことを確認した。 このように、研究はほぼ計画通りに進捗していることから、現在までの達成度を(2)と判断した。

今後の研究の推進方策

これまでに開発してきたコミュニティ知の共有・適用・洗練・学びあい支援機能を統合したオンラインコミュニティ支援環境を構築し、その評価実験を通して本支援環境の有効性を調査する。そして、支援機能を洗練しながら、有効なコミュニティ知の持続的進化・継承環境を実現する。さらに、研究成果の公表を推進する。

次年度の研究費の使用計画

コミュニティ知の持続的進化(共有・適用・洗練・学びあい)支援手法の開発に注力してきたため、研究成果の公表に十分な時間を割くことができなかった。そこで、次年度では繰り越した研究費を、主に平成23年度の研究成果を公表するために利用する予定である。 これに加えて、今後平成23年度に開発した支援手法を統合してコミュニティ知の持続的進化・継承支援環境を構築するために、開発環境としてのパソコンやサーバーコンピュータを購入する予定である。また、支援環境の有効性評価実験を実施するためのノートパソコンの購入、および被験者への謝金、実験結果分析補助者への謝金を予定している。そして、これらの研究成果を国内外で広く公表するための旅費などを予定している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Webリソースを用いた学習活動のモデリングと学習支援2012

    • 著者名/発表者名
      柏原昭博
    • 学会等名
      人工知能学会第64回人工知能セミナー「教育と人間科学~理論、実践、社会での取り組み~」(招待講演)
    • 発表場所
      東京都、キャンパス・イノベーションセンター東京
    • 年月日
      2012年3月30日
  • [学会発表] 体験学習における知識増幅を目的とした体験履歴比較支援2012

    • 著者名/発表者名
      村瀬拓弥、柏原昭博
    • 学会等名
      教育システム情報学会第6回研究会
    • 発表場所
      大阪府、大阪工業大学枚方キャンパス
    • 年月日
      2012年3月17日
  • [学会発表] 研究ログ探索スキーマによる研究コミュニティ知共有の活性化2012

    • 著者名/発表者名
      大塚将斗、柏原昭博
    • 学会等名
      電子情報通信学会教育工学研究会
    • 発表場所
      香川県、香川高専詫間キャンパス
    • 年月日
      2012年3月10日
  • [学会発表] 研究知の表現・共有支援を目的としたHyperblogにおける研究ログ探索支援2011

    • 著者名/発表者名
      大塚将斗、永留圭祐、柏原昭博
    • 学会等名
      教育システム情報学会第36回全国大会
    • 発表場所
      広島県、広島市立大学
    • 年月日
      2011年8月31日
  • [学会発表] コミュニティによるハイパー空間地図の作成を通じたWeb-based Learning支援環境の設計2011

    • 著者名/発表者名
      長谷川忍、李航宇、太田光一、柏原昭博
    • 学会等名
      2011年度人工知能学会(第25回)全国大会
    • 発表場所
      岩手県、いわて県民情報交流センタ(アイーナ)
    • 年月日
      2011年6月3日
  • [備考]

    • URL

      http://wlgate.ice.uec.ac.jp/contents/publication/publications.html

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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