技術者および研究者として最も重要な能力である、解の無い問題に取り組む能力を身につけるための新しい教育方法を開発する。そのコンテンツとしては、高専および本学において長年培われてきたコンテスト形式による相互研鑽教育システムである、「ロボコン」の手法を利用し、或る一定のレギュレーション(その中には時間制限を含む)の中で、学生および大学院生同士で仮想のディスカッションルームを提供し、そこで自由なグループを構築させ、そのグループ同士でのコンテストを行う事を通じて、創造力と突破力を養成させた。具体的には、先ず、種々の研究室の学生の間でデータを共有出来るシステムを形成した。また、ネットワークだけの関係では真の信頼関係を構築できないことから、ともに連携する学生同士と顔合わせを行い、フェイストゥフェイスでのディスカッションを設けた。期間を通じてこのような打ち合わせは一度しか設けることが出来なかったが、やはりネットだけの打ち合わせよりも数段高い意思疎通が図られた。ソフトウエアの構築については、本学で合成されている有機無機ハイブリッド材料を用いた感圧センサーの動作を主目的として、これに対してコンテスト形式で電気回路の設計、プログラミングを行った。これらの結果、加重を印加しながらサンプルの電気抵抗率を効率よく測定することの出来るハードウエアとソフトウエアの構築がなされた。また、この課程を通じて、学生同士が様々な議論をしながら切磋琢磨しあえる教育スキームを構築することが出来た。
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