これまで研究代表者は,工学,教育的側面から音声信号解析による「脳性麻痺構音障害者のコミュニケーション支援手法の研究」を行っているが,発話の聴き取りも困難であり,音声解析だけでは解明出来ない点もある.そこで本研究において,生理学的側面から脳磁界測定装置を用いた言語コミュニケーション解析に注目した.H23年度では,脳磁界信号における外部ノイズに頑健な解析手法として,マルチカーネル学習を用いた高次元空間での最適な特徴量空間の選択法の提案を行い,言語解析における新たな機械学習法に基づく特徴量抽出法及び識別モデル手法の有効性を示した.しかしマルチカーネル学習法では非常に計算時間がかかり実時間での処理が困難である.そこでH24年度では,実時間処理可能なAdaBoost法による解析手法を提案した.H25年度では,更に識別精度を改善するため,ランダムプロジェクションに基づく特徴量抽出法を提案した.従来のランダムプロジェクションでは,ランダム写像ベクトルが直交していないため,精度の改善が得られなかったが,提案手法では,ランダム写像ベクトルを直交させ,かつ正規化を行うことにより,識別精度を改善することが出来た.
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